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SS181204レベル1のヘルゲート「トルネードはほどほどに」

SS181204レベル1のヘルゲート10「トルネードはほどほどに」

「さぶっ」
俺は出前の配達の愛自転車を
漕ぎながらつぶやいた。
風は木の葉を地面に散らし、
自転車の回転に合わせてカサカサ音を奏でる
今日この頃だが、なんとなくつぶやくこの言葉に
郷愁を漂わせるのは仕方ない。
俺は食堂にたどりつく。
自転車を片づけ店に入り、
「ただいま戻りました」と店長に声をかける。
「おう、ご苦労さん。賄い飯食べろよ」
と店長が声をかけてくる。
その声に応えながらそっとつぶやく。
「いつになったら俺の世界に帰れるんだろ、はぁ」
あ、俺、唯の出前のバイトだけど、
今いる世界、地球じゃなくて異世界ナンデス。

いやぁ、最初は困ったよ?
何しろここはどこ?家はどこ?腹減ったどうしよう
と悩んでいたら、
この世界では異世界人って結構出現するらしく、
対応ばっちりお役所仕事サクサク進んで
家も職ももらえて、一応元の地球の移転時間に
合わせて戻れるよう確認してくれるという
親切ぶりだった。

で、紹介された職が住み込みの食堂の出前持ち。
この世界って、魔法があるけれど
一般人はそんな大して使えない世界。
まだ馬車が活躍している生活水準なのに、
何故か自転車はあった。
何故だ?文明の発展手順が違うくね?
と思ったけれど、どうやら
俺より以前に異世界転移しちゃった人が
魔術師と協力して根性で作り上げたらしい。
でも、庶民にとってはちょっと手を出すのは
ためらう値段なのに、
何故か店長が持っていて、
俺に出前の時に使えと貸してくれた。
ただし、出前の中身がこぼれない装置は
開発してくれなかったので、
俺は店長のシゴキじゃなくて猛特訓で
中身をこぼす事無くお客さまに届ける
事ができるようになった。

「で、店長。次の出前先はどこですか?」
おれは賄いの飯を食べ終えて店長に尋ねた。
「おう、いつもの『ヘルゲート』だ」
俺の身体に緊張が走る。
「王立魔術学院ですね」
「そうだ。そこへ出前だ」
ー王立魔術学院。そこは偏屈魔術師の集まりだった。
本来、国の一機関に出前を届けるのに
身構える必要はない。
だが、そこは偏屈魔術師の巣窟。
自分の魔術を使いたくてたまらない連中の集まりだ。
裏門?怪しげな魔術道具が所狭しと置かれていて
いつ何が発動するかわからない道を通れるのは
魔術に精通する業者でないと危なくて仕方がない。
それでもこの国ではレベル1の穴場と言われている。
  正門は「休戦協定」というやつが発動しないと
一般人は通れない。
それなしで唯一出前を届けられるのがこの俺だ。
「アイサー、出前はこれですね。
届けてきます」
「おう、気を付けてな」
店長がお玉を振って合図する。
愛自転車にまたがり
出前へと疾走した。

そして王立魔術学院の正面ゲートに
到着した。
風呂敷に出前の品をいれているので、
首の前の結び目をしっかりと結び直す。
何故か王立魔術学院の門から
正面ゲート道の上を
トルネードが舞っている。
まぁ、王立魔術学院としても
魔術師たちの魔術の暴走で
建物や敷地を破壊されると困るので、
結界を張っている。
そして、俺がいる正面の門の側に
気障な男がいる。
「ふふふ、来たね、出前君。
このトルネードを通って
見事出前を届けてみるがいい。
ちなみにトルネードを除けて
正面玄関には入れないよ」
どうやらこの男が作ったらしい。
俺はため息を一つつく。
そして、店長より渡された
鳥笛を咥えてならした。
すると、正面玄関から
魔術師の使い魔鳥が
飛び出してくる。
そしてトルネードに向って
突き進む。
「異世界人なめんなよっ」
この自転車がどうなっているのか
俺の異世界人として
なんか力を発揮しているのか
分からないが、
俺はトルネードの渦に添って
昇って行く。
そして、首にくくりつけていた
風呂敷を外した。
中からは使い魔鳥専用の餌が
トルネードに添って散って行く。
そして、使い魔鳥達が
それを器用に食べていく。
俺はトルネードの上迄行って、
その勢いに乗って、
正面の門に戻った。
そしてふぅっと息をつく。
そして顎をカクンと下げた
気障な魔術師に向って、
「いやぁ、助かったよ。
使い魔鳥専用の餌なんだけど、
同じ使い魔の他の動物に
狙われて困っていたんだと。
あれだと、使い魔鳥だけが
食べれるから便利だよな。
サンキューな」
あ、料金は先払いで貰い済みだ。
ひゅ~。
ヘクチ、風が冷たい。
早く店に帰って賄い食べよう。
温まろう。
そんな思いで自転車を漕ぐのだった。


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テーマ : 国内旅行
ジャンル : 旅行

ss181008レベル1のヘルゲート「嵐を呼ぶ男」

181008 9:レベル1のヘルゲート「嵐を呼ぶ男」:ss

「あっちぃ~」
俺は出前の配達の愛自転車を
漕ぎながらつぶやいた。
風は秋の涼しさを運び、木々の葉は紅葉する
今日この頃だが、なんとなくつぶやくこの言葉に
残暑を感じる。
実りの秋になんだか腹が減るのが
早いような気がする。
秋はサツマイモと連想する俺は
アホな男児と変らないなと苦笑する。

自転車を片づけ店に入り、
「ただいま戻りました」と店長に声をかける。
「おう、ご苦労さん。賄い飯食べろよ」
と店長が声をかけてくる。
その声に応えながらそっとつぶやく。
「いつになったら俺の世界に帰れるんだろ、はぁ」
あ、俺、唯の出前のバイトだけど、
今いる世界、地球じゃなくて異世界ナンデス。

いやぁ、最初は困ったよ?
何しろここはどこ?家はどこ?腹減ったどうしよう
と悩んでいたら、
この世界では異世界人って結構出現するらしく、
対応ばっちりお役所仕事サクサク進んで
家も職ももらえて、一応元の地球の移転時間に
合わせて戻れるよう確認してくれるという
親切ぶりだった。

で、紹介された職が住み込みの食堂の出前持ち。
この世界って、魔法があるけれど
一般人はそんな大して使えない世界。
まだ馬車が活躍している生活水準なのに、
何故か自転車はあった。
何故だ?文明の発展手順が違うくね?
と思ったけれど、どうやら
俺より以前に異世界転移しちゃった人が
魔術師と協力して根性で作り上げたらしい。
でも、庶民にとってはちょっと手を出すのは
ためらう値段なのに、
何故か店長が持っていて、
俺に出前の時に使えと貸してくれた。
ただし、出前の中身がこぼれない装置は
開発してくれなかったので、
俺は店長のシゴキじゃなくて猛特訓で
中身をこぼす事無くお客さまに届ける
事ができるようになった。

「で、店長。次の出前先はどこですか?」
おれは賄いの飯を食べ終えて店長に尋ねた。
「おう、いつもの『ヘルゲート』だ」
俺の身体に緊張が走る。
「王立魔術学院ですね」
「そうだ。そこへ出前だ」
ー王立魔術学院。そこは偏屈魔術師の集まりだった。
本来、国の一機関に出前を届けるのに
身構える必要はない。
だが、そこは偏屈魔術師の巣窟。
自分の魔術を使いたくてたまらない連中の集まりだ。
裏門?怪しげな魔術道具が所狭しと置かれていて
いつ何が発動するかわからない道を通れるのは
魔術に精通する業者でないと危なくて仕方がない。

  正門も「休戦協定」というやつが発動しないと
一般人は通れない。
それなしで唯一出前を届けられるのがこの俺だ。
「アイサー、出前はこれですね。
届けてきます」
「おう、気を付けてな」
店長がお玉を振って合図する。
愛自転車にまたがり
出前へと疾走した。

そして王立魔術学院の正面ゲートに
到着した。

何故か王立魔術学院の
嵐だ。マジで。
正面ゲートから学院の正面玄関迄の道の上を
空に向かって風が渦巻いている。
そこだけ嵐になるように結界を張って
あるのだろう。
そして、正面玄関の屋根の上に
男がいる。
「わーハッハッハッ。
我こそは通称『嵐を呼ぶ男』と呼ばれる
大魔術師だ。
出前の男よ。この嵐を抜けて
出前を届けてみるがよい!
ただし出来るものならな」
(・・・こいつアホだ。
自分で自分の事を大魔術師と
呼んだり、恥ずかしい二つ名を
叫んだり・・・・関わりたくない)
俺は心底そう思ったが仕方がない。
第一、玄関と正門の間に相当
距離があるのに、直接通話
できる装置をつけて言う内容が
あんな自己紹介とか、
魔術の無駄遣いもいいところだ。
だが、そんな事に構ってられない。
嵐の先に俺の客がいるっ。
「その勝負、受けて立つっ」
俺はそう叫ぶと、
愛自転車ごと嵐に突っ込んだ。
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ。
俺は地球の気象庁の
外出るな避難所に数時間前には
行ってろ電車も動かすなぁという
忠言を無視して嵐を突っ切る。
そしてー・・・・・
通称『嵐を呼ぶ男』こと大魔術師は
ふっと笑みをこぼす。
「ふふふ、数々の魔術師が破れた
出前の男もこの嵐の前に
吹き飛ばされたか」
「い~や、お客さん。
無事、嵐乗り越えました。
自転車で嵐の手前でジャンプして、
あんたの後ろに回り込んだんですよ。
出前です。受け取って代金下さい」
俺が通称『嵐を呼ぶ男』に
後ろから声をかけ、
出前の天丼を差し出す。
「おお!そう言えば出前を頼んだのは
俺だったな。
くぅ、出前がぐちゃぐちゃになっていないのを
喜ぶべきか悲しむべきか
偉大なる魔術師としてこの
状況をどう解釈すべきか」
「だ~か~ら~。代金下さい」
通称『嵐を呼ぶ男』はしぶしぶと
財布から代金をよこした。
「毎度あり~」

嵐は去った。
俺は正面ゲートから出る。
俺は愛自転車のペダルを踏む。
「どうせ災難な出前なら
魔女っ子がいいよな」
おれのささやかなリクエストが
叶う日はくるのだろうかと思いながら。



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ss180704レベル1のヘルゲート「踊らない猫」


ss180704レベル1のヘルゲート「踊らない猫」

「あっちぃ~」
俺は出前の配達の愛自転車を
漕ぎながらつぶやいた。
桜の花は既に散り、紫陽花も枯れかけている
今日この頃。
それでも、夏が来るのだと思うと
何だか元気になる俺は
アホな男児と変らないなと苦笑する。

自転車を片づけ店に入り、
「ただいま戻りました」と店長に声をかける。
「おう、ご苦労さん。賄い飯食べろよ」
と店長が声をかけてくる。
その声に応えながらそっとつぶやく。
「いつになったら俺の世界に帰れるんだろ、はぁ」
あ、俺、唯の出前のバイトだけど、
今いる世界、地球じゃなくて異世界ナンデス。

いやぁ、最初は困ったよ?
何しろここはどこ?家はどこ?腹減ったどうしよう
と悩んでいたら、
この世界では異世界人って結構出現するらしく、
対応ばっちりお役所仕事サクサク進んで
家も職ももらえて、一応元の地球の移転時間に
合わせて戻れるよう確認してくれるという
親切ぶりだった。

で、紹介された職が住み込みの食堂の出前持ち。
この世界って、魔法があるけれど
一般人はそんな大して使えない世界。
まだ馬車が活躍している生活水準なのに、
何故か自転車はあった。
何故だ?文明の発展手順が違うくね?
と思ったけれど、どうやら
俺より以前に異世界転移しちゃった人が
魔術師と協力して根性で作り上げたらしい。
でも、庶民にとってはちょっと手を出すのは
ためらう値段なのに、
何故か店長が持っていて、
俺に出前の時に使えと貸してくれた。
ただし、出前の中身がこぼれない装置は
開発してくれなかったので、
俺は店長のシゴキじゃなくて猛特訓で
中身をこぼす事無くお客さまに届ける
事ができるようになった。

「で、店長。次の出前先はどこですか?」
おれは賄いの飯を食べ終えて店長に尋ねた。
「おう、いつもの『ヘルゲート』だ」
俺の身体に緊張が走る。
「王立魔術学院ですね」
「そうだ。そこへ出前だ」
ー王立魔術学院。そこは偏屈魔術師の集まりだった。
本来、国の一機関に出前を届けるのに
身構える必要はない。
だが、そこは偏屈魔術師の巣窟。
自分の魔術を使いたくてたまらない連中の集まりだ。
裏門?怪しげな魔術道具が所狭しと置かれていて
いつ何が発動するかわからない道を通れるのは
魔術に精通する業者でないと危なくて仕方がない。

  正門も「休戦協定」というやつが発動しないと
一般人は通れない。
それなしで唯一出前を届けられるのがこの俺だ。
「アイサー、出前はこれですね。
届けてきます」
「おう、気を付けてな」
店長がお玉を振って合図する。
愛自転車にまたがり
出前へと疾走した。

そして王立魔術学院の正面ゲートに
到着した。

何故か王立魔術学院の
正面ゲートから学院の正面玄関迄の道の上の空が
おどろおどろしい雲に覆われている。
俺はごくりと唾を飲んだ。
そして愛自転車を走らせる。
(おかしい、望外がない)
俺がいぶかしんでいると、
道の真ん中に来た所、
突如白い煙が現れ、魔女が現れた。
俺は、慌てて愛自転車を止める。
「・・・童女?」
いや、確かに魔女なんだよ?
魔女のとんがり帽子と黒いローブを纏っている。
「ふふふ、あたちを子供だと思って
あなどっていまちゅね」
「いや、小学生高学年程度でその『まちゅね』とか
言っているのはどうかと思うぞ」
俺が冷静につっこみをいれる。
そうだ、逆にこんな小さな時に王立魔術学院に
入学するという事はそれだけ魔力が高いと
いう事につながる。
俺は油断なく子供に対してかまえた。
「ふふふ、あたちの可愛い使い魔に
脅え慌てふためくがいい!いでよ、光と闇の魔獣よ」
彼女がそう叫ぶと、
俺と彼女の間に稲妻が落ちる。
そしてそこに現れたのは・・・
「白ネコと黒ネコ・・・」
そいつらはどことなく招き猫を連想させる
ふっくらした身体をまぁるくして
ニャーンと鳴いた。
そして眠った。
ひゅるるるる~。
暑い夏なのに、涼しい風が吹きわたる。
「で、俺はどうすればいいわけ」
「う、起きろ使い魔どもっ
ほ、本当はこいつら強いんだぞ。
お前なんかこいつらの烈風斬で
爪で引き裂かれるんでちゅ」
そう叫ぶ魔女の子供をしり目に
俺は、自転車から降りて、
猫達の喉をなでてやる。
ゴロゴロとのどを鳴らす猫達。
魔女の子供の目から涙が盛り上がる。
そしてうわーんと大泣き。
取敢えず、俺は出前を王立魔術学院に届けて、
急いで魔女の子供の所に戻って慰め、
猫の脚を俺の腕に当てて、
わーまいったぁと言った。

やっとの思いで魔女の子供のご機嫌を直し
正面ゲートから出る。
「疲れた」
俺はぐったりして愛自転車のペダルを踏む。
今までの戦いで一番疲れた出前だった。


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ss180330レベル1のヘルゲート 「細菌兵器にご用心」

180330レベル1のヘルゲート 「細菌兵器にご用心」

「ああ、桜がきれいだなぁ」
俺は出前の配達の愛自転車を
漕ぎながらつぶやいた。
街路樹は桜色に染まって華やかだ。
でも、本当はこれは桜ではないらしい。
だけどいいのだ。春だから。
俺はなんとなくウキウキしながら店へと戻った。

自転車を片づけ店に入り、
「ただいま戻りました」と店長に声をかける。
「おう、ご苦労さん。賄い飯食べろよ」
と店長が声をかけてくる。
その声に応えながらそっとつぶやく。
「いつになったら俺の世界に帰れるんだろ、はぁ」
あ、俺、唯の出前のバイトだけど、
今いる世界、地球じゃなくて異世界ナンデス。

いやぁ、最初は困ったよ?
何しろここはどこ?家はどこ?腹減ったどうしよう
と悩んでいたら、
この世界では異世界人って結構出現するらしく、
対応ばっちりお役所仕事サクサク進んで
家も職ももらえて、一応元の地球の移転時間に
合わせて戻れるよう確認してくれるという
親切ぶりだった。

で、紹介された職が住み込みの食堂の出前持ち。
この世界って、魔法があるけれど
一般人はそんな大して使えない世界。
まだ馬車が活躍している生活水準なのに、
何故か自転車はあった。
何故だ?文明の発展手順が違うくね?
と思ったけれど、どうやら
俺より以前に異世界転移しちゃった人が
魔術師と協力して根性で作り上げたらしい。
でも、庶民にとってはちょっと手を出すのは
ためらう値段なのに、
何故か店長が持っていて、
俺に出前の時に使えと貸してくれた。
ただし、出前の中身がこぼれない装置は
開発してくれなかったので、
俺は店長のシゴキじゃなくて猛特訓で
中身をこぼす事無くお客さまに届ける
事ができるようになった。

「で、店長。次の出前先はどこですか?」
おれは賄いの飯を食べ終えて店長に尋ねた。
「おう、いつもの『ヘルゲート』だ」
俺の身体に緊張が走る。
「王立魔術学院ですね」
「そうだ。そこへ出前だ」
ー王立魔術学院。そこは偏屈魔術師の集まりだった。
本来、国の一機関に出前を届けるのに
身構える必要はない。
だが、そこは偏屈魔術師の巣窟。
自分の魔術を使いたくてたまらない連中の集まりだ。
裏門?怪しげな魔術道具が所狭しと置かれていて
いつ何が発動するかわからない道を通れるのは
魔術に精通する業者でないと危なくて仕方がない。

  正門も「休戦協定」というやつが発動しないと
一般人は通れない。
それなしで唯一出前を届けられるのがこの俺だ。

「アイサー、出前はこれですね。
届けてきます」
すると店長が真面目な顔をして、
「お前、今日はこれを着てゲートをくぐれ。
それに出前にこのカバーをしろ」
「?レインコートですか。
雨降ってませんよ。しかも顔もカバー
かかってますね。」
「先ほど連絡が入った。
今日は玄関で大物が待っていると」
「大物?他に情報はないのですか?」
「いや、伝書鳩できたから詳細は
わからん。お前のいうレインコートという
代物も、魔術士配達員が届けてきた」
「だったら、そいつが出前を届ければ
いいだけの話だと思いますが。
いえ、なんでもありません。
アイサー、出動します」
店長の背後でオドロオドロシイ線が
出てきたので、俺は急いで
愛自転車にまたがり
出前へと疾走した。

そして王立魔術学院の正面ゲートに
到着した。
おかしい。いつもだったら変態じゃない
ちょっと言動のおかしい魔術師達が
ゲートと王立魔術学院への正面玄関迄の
道の間に見え隠れしているのに、
今日は静かだ。
俺は、ゲートを開けようとして、
出前にかかっているカバーを直し、
レインコートを深く被った。
そして門を開けようとするとー
とっさに俺は右へと愛自転車ごと逃げた。
突然、ゲートの門が突風と共に
開いたからだ。
「くっ今日の敵は風魔法か?
しかしそれにしてはシンプルな」
しばし観察すると、門は一定のリズムで
突風で開くようだ。
俺は意を決してゲートの内へ入った。
突風を野生の勘でかわしながら、
正面玄関へと愛自転車を進める。
そして、突風は正面玄関をも
開けているのを発見した。
そこで俺は、突風が止んだ隙に
正面玄関を開けて中へ滑り込んだ。

するとそこに居たのは
「ドラゴン!でかっ」
玄関いっぱいの大きさのドラゴンが
一頭、鼻をズピズピ言わせながら
へばっていた。
そして、ときどきゴホンゴホンと咳をし、
ブエックシュンとくしゃみをしていた。
「あ~やっときた。早く出前ちょうだい」
ドラゴンの口の近くから魔術師の少女が
出てきた。
彼女はドラゴンの鼻水らしき液体で
びちょびちょだった。
「あ、出前ありがとうございます。
このドラゴン、花粉症ですか?」
「違うわよ!風邪よ風邪っ
あたしはドラゴンマスターなんだけど、
この子ったら、ちょっとあったかいからって
湖で水遊びして、夜に身体冷やして
風邪ひいちゃったのよ。
喉が痛いのに風邪薬飲めなくて、
店長に頼んで出前のうどんに強力な
ドラゴンも一発で治る風邪薬を
仕込んでもらったのよ」
ぶえっくしょーいっ
その時、ドラゴンがすごいくしゃみをした。
魔術師の少女は急いでドラゴンにかけより
「ああ、ごめんね。喉が痛いのね。
このうどんを食べたら治るから食べてね」
と言ってうどんを食べさせた。
うどんには強力な眠り薬もあったらしく、
ドラゴンは食べ終える(と言っても一飲みだが)と
同時にズビズビ言いながら眠りについた。

「はぁ、これでやっと治るぅ」
魔術師の少女はそういうと座り込んだ。
「あの、これ貰いもので悪いんすけど
桜餡パンどうすか」
「あ、ありがとう。実はおなかすいていたのよね。
助かるわ」
そう言って俺が桜餡パンを渡そうとした時、
俺の鼻がむずむずしてくしゅんとくしゃみをして
しまった。
「!!!!!!!!」
くしゃみは運悪く彼女の魔術師のコートに
かかってしまった。
ドラゴンの鼻水でぐしゃぐしゃのコートに。
「あ、すすいません」
「いやぁあああああ」
俺は彼女にビンタされて愛自転車をひっつかんだまま
正面玄関の扉にぶつかりゲートの門を超えて
叩きだされた。
チャリンチャリン。お代が俺にぶつかる。
「なんだよ、俺はドラゴン以下かよ」
俺はぶつぶつ言いながら愛自転車に乗って
店へと戻った。
その後、何故か風邪をひき、
ドラゴンも一発で治る風邪薬を飲まされたのだった。


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宇宙より笑笑な日常を4コマで

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ss180314レベル1のヘルゲート 「ホワイトデー競争曲」

ss180314レベル1のヘルゲート 「ホワイトデー競争曲」

「ふぅ、今年のバレンタインデーのお返しも
後一か所か」
今日はホワイトデー。
何故かバレンタインデーに町中のお得意さんや知り合いの
娘さんにおばちゃんにお姉さんにチョコをもらっていたので
出前がてらお返しのキャンディを配っていたのだ。
「全く、この異世界にバレンタイン流行らすなよ。
もれなくホワイトデーも流行らせないでほしいわ
義理チョコとはいえ大変なんだぞ」
俺はぶつぶついいながら、店へと戻った。

自転車を片づけ店に入り、
「ただいま戻りました」と店主に声をかける。
「おう、ご苦労さん。賄い飯食べろよ」
と店主が声をかけてくる。
その声に応えながらそっとつぶやく。
「いつになったら俺の世界に帰れるんだろ、はぁ」
あ、俺、唯の出前のバイトだけど、
今いる世界、地球じゃなくて異世界ナンデス。

いやぁ、最初は困ったよ?
何しろここはどこ?家はどこ?腹減ったどうしよう
と悩んでいたら、
この世界では異世界人って結構出現するらしく、
対応ばっちりお役所仕事サクサク進んで
家も職ももらえて、一応元の地球の移転時間に
合わせて戻れるよう確認してくれるという
親切ぶりだった。

で、紹介された職が住み込みの食堂の出前持ち。
この世界って、魔法があるけれど
一般人はそんな大して使えない世界。
まだ馬車が活躍している生活水準なのに、
何故か自転車はあった。
何故だ?文明の発展手順が違うくね?
と思ったけれど、どうやら
俺より以前に異世界転移しちゃった人が
魔術師と協力して根性で作り上げたらしい。
でも、庶民にとってはちょっと手を出すのは
ためらう値段なのに、
何故か店主が持っていて、
俺に出前の時に使えと貸してくれた。
ただし、出前の中身がこぼれない装置は
開発してくれなかったので、
俺は店主のシゴキじゃなくて猛特訓で
中身をこぼす事無くお客さまに届ける
事ができるようになった。

「で、店長。次の出前先はどこですか?」
おれは賄いの飯を食べ終えて店主に尋ねた。
「おう、いつもの『ヘルゲート』だ」
俺の身体に緊張が走る。
「王立魔術学院ですね」
「そうだ。そこへ出前だ」
ー王立魔術学院。そこは偏屈魔術師の集まりだった。
本来、国の一機関に出前を届けるのに
身構える必要はない。
だが、そこは偏屈魔術師の巣窟。
自分の魔術を使いたくてたまらない連中の集まりだ。
裏門?怪しげな魔術道具が所狭しと置かれていて
いつ何が発動するかわからない道を通れるのは
魔術に精通する業者でないと危なくて仕方がない。

  正門も「休戦協定」というやつが発動しないと
一般人は通れない。
それなしで唯一出前を届けられるのがこの俺だ。

「アイサー、出前はこれですね。
届けてきます」
すると店長がふっと笑って、
「今日はホワイトデーだな。
ヘルゲートでもお返しするのか」
「ハイ。何故かバレンタインにチョコを
渡されていますので、ついでに
渡してきます」
「いいねぇ。若いってのは。
ま、いい娘をつかまえろよ」
「何言ってるんですか。
義理ですよ義理。
それでは行ってきます」
「おう、気を付けてな」
俺は愛自転車にまたがり
出前へと疾走した。

その頃のヘルゲート。
ヘルゲートと王立魔術学院の間の道に
少女達が地べたに這いつくばっていた。
「おほほほほ、貴方達の実力は
その程度なの」
一人玄関前でヴァイオリンを持った
黒ずくめの女が高らかに言い放った。
「くっ、音色の魔術師!
あなたが、出前の彼のバレンタインのお返しを
狙う理由はなんなの」
地べたに這いつくばった少女達の一人が
言った。
「そうよ、魔女っ子アイドルのセンターが
言う通りよ。
あなたは彼にチョコを渡していないでしょ。
あなたに彼からのお返しを貰う資格はないはずよっ」
同じく地べたに這いつくばるマッチすりの魔術師が言う。
這いつくばっている少女達は全員同じ魔術師だ。
ただ一人立つ音色の魔術師はポロンポロンと
ヴァイオリンの弦を弾いて勝ち誇って言う。
「ふふ、確かにわたくしは、出前の彼にチョコを
渡していないわ。
でも、わたくし欲しいんですの。
貴女方が争っているのを出しぬいて
賞品を手に入れるのがわたくしの喜びですのよ。
人が欲しいと思っている物を横から手に入れる事が
楽しいんですの、ほほほほほほ」
「く、この悪趣味!この魔女っ子アイドルセンターとして
正義の鉄拳を下します!」
「センター、私達も魔女っ子アイドルとして
許せなくてよ、さぁ、もう一度立ち上がりましょう」
「あたし、ドジでまぬけでビリッカスだけど、
マッチをするのなら世界一負けない!闘うわ」
『いや、あんた邪魔だからすみっこにいて』
魔女っ子アイドル達がツッコミを入れられて、
マッチすりの魔術師は地面にのの字を描いて
いじけた。
音色の魔術師の目が不気味に輝く。
「貴女方、まだ懲りていないのですね。
いいでしょう。私のヴァイオリンの音色に
酔いしれるがいいですわ」
そういうと、ヴァイオリンを引き始めた。
♪ギーコーギーコーギーコー♪
「いやぁぁああ、この不協和音耐えられない」
魔女っ子アイドル達が悶絶する。
そこにヴァイオリンから蝙蝠が現れ、
彼女達を攻撃する。
なんとか耐えて応戦する魔女っ子アイドル達。
その阿鼻叫喚の中ー

キキーッと俺は自転車の急ブレーキをかける。
俺は王立魔術学院のヘルゲートと玄関迄の
道中で行われている戦闘をみて辟易とした。
「うわぁ、出前が届けられないじゃないか」
俺は困惑した。しかしすぐに決意した。
「よし、このヘルゲートを駆け昇って、
勢いをつけるか」
そう決心すると俺は右脚のペダルに力を込める。
そして「うぉぉぉぉぉぉ」と雄たけびをあげると、
勢いよくヘルゲートを駆け昇るっ
そしてヘルゲートを垂直に飛んだ勢いを
90度前方に自転車を傾け、宙を駆ける。
そして、戦闘をしている魔女たちの頭上を飛び越え、
王立魔術学院の玄関前に着地した。
その時、何かがバチンと切れる音がして
「風圧でヴァイオリンの弦がぁ」と
絶叫が後ろで聞こえたが俺の知った事ではない。

後ろでの騒ぎを無視して
俺は王立魔術学院の玄関の扉を開ける。
「ちわーす。出前届けにきました。
あ、管理人さん、久しぶりの出前ですね。
はい、はい、お代ありがとうございます。
あ、後これホワイトデーのお返し、
名前書いてありますんで本人に
渡しておいてくれませんかねぇ
ああ、ありがとうございます。
今後もごひいきに、失礼しまーす」
俺はそう言うと玄関の扉を閉めた。
後ろを振り向くと、
呆然とする魔女たちがいた。

「あ、バレンタインありがとうな。
お返し、管理人さんに預けといたから
受け取ってくれ」
俺がそう言うと全員が地面に突っ伏した。
俺は愛自転車で彼女達の間を駆け抜ける。
地面に伏せた魔女っ子アイドル自称センターが
「く、少女ポエム的展開を期待してたのに」と
つぶやいたのを俺は知らない。


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