190807詩:おじいちゃんの日記
190807詩:おじいちゃんの日記
「おじいちゃんの日記
これだけ?」
弟が尋ねてくる
「ああ、段ボール二箱あったな」
俺が応える
祖父が亡くなってもう一月
人一人がいなくなるという事は
こんなにも物が出るという事か
家族総出で片づける
台所は母と叔母
今は父と叔父
そして俺と弟は祖父の寝室
その押入れから出てきたのは
大量の日記だ
戦前の幼い字から思春期以降の
しっかりした字まで
達筆な祖父の字からは
その時の歴史が刻まれている
だが、その歴史を留めておく余裕は
俺達にはなかった
俺はパラパラと日記をめくる
全てを捲る事はできない
この歴史も煙と化す
俺は庭に掘られた穴に日記を入れた
そして、荼毘にふすように
火を投げ入れた
人間の歴史とはこういうものなのかもしれない
了
「おじいちゃんの日記
これだけ?」
弟が尋ねてくる
「ああ、段ボール二箱あったな」
俺が応える
祖父が亡くなってもう一月
人一人がいなくなるという事は
こんなにも物が出るという事か
家族総出で片づける
台所は母と叔母
今は父と叔父
そして俺と弟は祖父の寝室
その押入れから出てきたのは
大量の日記だ
戦前の幼い字から思春期以降の
しっかりした字まで
達筆な祖父の字からは
その時の歴史が刻まれている
だが、その歴史を留めておく余裕は
俺達にはなかった
俺はパラパラと日記をめくる
全てを捲る事はできない
この歴史も煙と化す
俺は庭に掘られた穴に日記を入れた
そして、荼毘にふすように
火を投げ入れた
人間の歴史とはこういうものなのかもしれない
了
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