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S231222 魔法の軍手

S231222 魔法の軍手・・・🧤


 働き者のGさんは、
ある年のクリスマスに
サンタさんからプレゼントをもらいました。

箱を開けると中には軍手が入っていました。
真っ白で新品の軍手です。
そしてカードが添えてありました。
そこには

”Gさんへ

魔法の軍手を贈ります。
なんでもきれいにする軍手です。
ですが使いすぎてはいけません

             サンタより”

と書いてありました。

働き者のGさんは、とても喜びました。
Gさんの奥さんは、
使いすぎてはいけませんと書いてあるわよと
言いましたが、Gさんは聞いていません。

Gさんは、さっそく窓を拭いてみました。
すると、きれいな窓が更にピカピカに輝きました。
Gさんは嬉しくなって家中をピカピカにしました。

そうして魔法の軍手は少しも汚れていませんでした。

働き者のGさんは、魔法の軍手で
世の中をピカピカにしたいと思い立ち、
ハウスキーピングの仕事を始めました。

するとこれが大当たり。
家中がピカピカになると評判を呼び、
依頼がたくさんたくさん舞い込んできました。

ですが奥さんは浮かない顔をしていました。

するとある時、依頼主の一人の女性が
こんな事を言いました。

「ねぇ、その魔法の軍手で
私の顔のしみを取ってくれないかしら」

働き者のGさんは驚きましたが
頼み込まれて恐る恐る依頼主の女性の顔を
魔法の軍手でなでてみました。

するとどうでしょう。
女性のお肌からしみが消えて
卵のようにツルツルのきれいなお肌になりました。

「ああ、嬉しい」

依頼主の女性は大喜びです。
するとそれがまた評判を呼び、
Gさんはてんてこまいの忙しさに。

Gさんの奥さんは心配顔。

働き者のGさんが、へとへとへとへとになるまで
女性の顔をきれいにしていたからです。

そしてある日の朝。
鏡を見たGさんは驚きました。

そこにはしみに覆われしわくちゃの
Gさんの顔があったからです。
そうしてGさんは寝込んでしまいました。

怒ったGさんの奥さんは
魔法の軍手を燃やしてしまいました。

するとGさんの顔は元に戻りました。
ですが、Gさんの疲労は中々抜けませんでした。

そんなGさんに奥さんは言いました。
実は、前年のクリスマスに
Gさんが働きすぎているのを心配して
サンタさんにGさんが働きすぎるのを
止めて欲しいとお願いしたのだと。

Gさんは反省しました。
働きすぎて身体を壊してしまっては何もならないと。

Gさんは相変わらず働き者でしたが
よく休みを取り、家族と出かけるようになりました。

そうして、幸せなクリスマスを
過ごすようになりましたとさ。

おしまい


善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

SS231215 白紙29・・・🖊

SS231215 白紙29・・・🖊


「心あてに折らばや折らむ初霜の
置きまどはせる白菊の花・・・」

吾輩は、百人一首の凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の一首を
そっとつぶやいてみる。

「むぅ。初霜が一面に敷きつもっている。
その中に白菊が埋もれてしまった。
あてずっぽうに白菊を折ってみようか・・・か」

吾輩は、その光景を想像してみる。
もちろん。白菊が一面の初霜の中にあろうとも
埋もれるわけではない。
だが、そう詠んでみる凡河内躬恒の
雅量に浸るのは趣がある。

コンコン。
「あなた、入りますよ」
ガチャ。
そう言いながら既に我書斎に入っているのは
吾輩の愚妻である。

「いつも言っているだろう。
吾輩の諾を受けてから入れと」

「あらあら、いつも申し訳ありません。
まぁそう仰らずにお茶にいたしませんこと?
美味しい京最中をいただきましたの」

愚妻はそう言って、手に持ったお盆から
熱々のお茶と京最中を置いた。

「京最中か・・・」

餡子を挟んでいる
すべすべした最中種には
菊がかたどられている。
中にある餡子は少し薄い小豆色をしていて
甘さ控えめな上品な味が想像される。

吾輩は愚妻が置いた湯飲みを
ずずずと啜った。

「宇治茶か・・・」

「ええ、折角の京最中ですもの。
やっぱりお茶も合わせなくてはと
思いましてね」

「そうか・・・」

「あなた?今日は随分静かでいらっしゃいますこと
お加減でもお悪いのですか」

「む、何故吾輩が静かにしていると
具合が悪いことになる。
今、吾輩は次の小説を考えているのだ」

「あら、今度は京が舞台ですの。
『心あてに折らばや折らむ初霜の・・・』
百人一首の中でも有名な歌ですね」
「原稿用紙を見るな!!
まぁ、なんだ。
編集者が百人一首を絡めて
殺人事件を一つと注文してきてな。
まぁ陳腐だが、だったら
京都が舞台にいいだろうと思った次第だ」

「そうですわよねぇ。
百人一首と言えば京都ですものね。
ですが初霜となりますと十一月ですわよね」

「来年の十一月頃に発売するそうな」

「あらあらいけない。
そうですわよね。私ったらうっかりしていて
申し訳ございません。
それで何を悩んでいらっしゃいますの」

「ぬ、まぁなんだ。
有名な京都の温泉旅館の庭。
一面の初霜の中に置かれたあまたの白菊。
そこに、赤い血がさっと走っている。
被害者は温泉客・・・そこからどうするか、だ」

すると愚妻はちょっと考えて、

「温泉旅館ですか。
よくある舞台設定ですわね」

「そうなのだが、編集者が言うには
吾輩の読者層は定番の舞台設定を好むそうだ。
吾輩の力量にかかれば、
使い古された設定に新風を巻き起こすことができると・・・」

「言いくるめられたのですね」

「言いくるめられたのではない!
吾輩はできるっ。
いつもそうしてきた」

「そうは言っても、白菊の和歌が一つだけで
後は初霜のように綺麗な原稿用紙ですこと。
そうですわ!
取材に参りましょう、京都へ」

「何を言うのだ。
今時は”いんばうんど”とやらで
どこの旅館もいっぱいだぞ」

すると愚妻はどや顔をしながら

「ふふ、私のお友達の知り合いのお母様の
お義兄様の持っている別荘が
京都にございましてね。
使わないと痛んでしまうので
良かったらお泊り下さいと
お声がけを頂いていおりましたの」

「なんだか随分遠い知り合いだな。
大丈夫なのか」

「大丈夫ですわよ。
今時、こんな機会でも無いと
旅行に出るのも億劫ですからね。
私、早速旅行の手配を致しますわね」

愚妻はいそいそとドアの方へと向かった。
そして、それにと口にして
吾輩の方へ振り向くと

「あなたも、ちょっと不安定な人間関係のご招待で
旅行に行くのは、
殺人事件を書くにはぴったりだと思いませんこと」

では失礼します、
そう言って愚妻はドアを閉めた。

「・・・・」

吾輩はどう応えるべきか言葉を失った。
そして、新聞の一面にだけは載りたくないと思ったのだった。



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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

SS231124 閲覧注意と言われても・・・📘

SS231124 閲覧注意と言われても・・・📘


ある時、
僕は『魔法の本』と書かれた本を
道端で見つけた。

何とはなしに拾ったのは、
その本の表紙に小さく『閲覧注意』と
書かれていたからだ。

そう書かれていると余計に僕は見たくなった。

僕はその本を開いた。
最初のページには左端上に



と書かれていた。
よく見ると、見開きの真ン中に
小さな丸い黒点が一つあった。
・・・・・・

僕は次のページを開いた。
同じく前のページと同じ左端上に



と書かれていた。
見開きの真ン中には
5㎝四方に収まる石の写真があった。
・・・・・・

僕は更にページをめくると
そこには見開きでゴツゴツした石か岩のアップした
写真が広がっていた。
左端上に



という数字がかろうじて読めた。
・・・・・・

次のページをめくると
ページの真ン中に

0!!閲覧注意!!
隕石接近中


とあった。

僕は空を見上げた。
空いっぱいに隕石の影が見えた。

おしまい


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テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

D231117 言葉をのんだ女の子

D231117 言葉をのんだ女の子


むかしむかし
あるところにとても可愛らしい
女の子がいました。

とても愛らしくて
ふっくらした頬に
愛嬌のある整った顔立ち
髪は艶やかに光り輝いていました。

その子はとてもいい子でしたので
両親にも兄弟姉妹にも
周りの人達にも
いつもニコニコして
口答え一つしたことがありませんでした。

そんな女の子も時には
腹が立つことがあります。
ですが、いつもその腹立ちを押さえて
言葉をのみこんでいました。

するとある時、
その女の子を妬んでいた魔女がやってきて、

「人間は良い面もあれば悪い面もある。
いつも天使でいることなんざ
できないんだよ。
いままでお前がのみこんできた
言葉の数々よ、表に出てくるがいい!」

と言って、女の子に魔法をかけました。

すると、女の子の髪がざわざわとうねりだし、
たくさんの蛇となりました。
女の子は怒りました。

そして、魔法をかけた魔女を石にしてしまいました。

「ああ、しまった。私にかけられた魔法を
解くことができなくなってしまったのね」

そう女の子はつぶやいて悲しみました。

そうして女の子はさすらいました。
さすらっている間、
女の子は腹立ちまぎれに
人々を石に変えました。

ですが、人々を石に変えている内に
だんだん悲しくなってきました。
そう、だんだん虚しくなってきたのです。


私は言葉をのんできた
人を傷つけないように慈しむために
言葉をのんできた
その言葉が溢れ出てとめどめとなく流れ出る
止まらない止まらない
言葉が止まらない


女の子はさすらいました。
そしていつもの歌を歌っていると
誰でしょうか。
その歌に合わせてリュートの調べが
聞こえてきます。

女の子が歌うのを止めると
リュートの調べも止みます。

その調べは女の子につかず離れず
奏でられます。

「誰なのかしら。姿を見せないわ」

リュートは、女の子の心にぴったり寄り添うように
女の子が怒ればリュートも怒り、
女の子が穏やかになれば優しい調べを奏でます。

そして、女の子はある時ふと立ち止まりました。
そして思いっきり泣きました。

うわーんうわーんうわーん

その泣き声は雷鳴を呼び荒らしを巻き起こしました。
すると暫くして、優しいリュートの調べが
女の子の耳にはいりました。

女の子は驚いて泣き止みました。

そして辺りを見渡すと
岩にもたれかかって倒れている青年がいるのを見つけました。
青年の手にはリュートがしっかりと
握られています。

ああ、この人がずっと
リュートを聴かせてくれていたんだ。
そう思うと女の子は青年に駆け寄り
介抱しました。

女の子は介抱し終えた青年を
改めて見て
なんてきれいな人なのだろうと思いました。

その青年が目を覚まそうとして
女の子はハッとしました。

今の自分は醜い蛇の髪の毛をしている女の子。
青年に見られるのはとても恥ずかしい。

女の子は慌てて物陰に隠れようとしましたが、
青年に手をつかまれました。

「待ってください、なぜ逃げるのですか?」

「だって私は醜い蛇の髪の毛をしていますから」

「ここに鏡があります。ようく自分の姿を見て下さい」

そう言って青年は鏡を女の子に向けました。

そこには魔女に魔法をかけられる前の女の子が、
いえ、とても美しい女性の姿がありました。

女の子は驚きました。
髪も以前のように、それ以上に美しく光り輝いています。

青年は、この国の王子さまでした。
さいしょは人々を石に変える女の子を退治しようと来たのですが、
女の子の歌を聴いて、とっさに肌身離さず持っていたリュートを
奏でたとのことでした。

王子さまは女の子に愛を告白しました。
女の子は頷きました。

そうして女の子はお城で幸せに暮らしました。
とても優しく賢いお妃様になりましたが、
ちょっぴり?いじわるでちょっぴり?我儘だったそうです。

女の子が石にしてしまった人々はどうなったかって?
もちろん、みーんな元の姿に戻りましたよ。
あの魔法をかけた魔女もね(^^♪

おしまい


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テーマ : 児童文学・童話・絵本
ジャンル : 小説・文学

SS231103 たまごおじさん(後編)・・・🥚

SS231103 たまごおじさん(後編)・・・🥚 家事の分担に不満を持った、 妻のゆりこが実家に帰った日。 怪しいセールスマンから家事をしてくれるという 『たまごおじさん』という小人の種を 一粒もらった俺。 不思議なことに、姿は見えないが 確かに何もしていないのに翌日の夜家に帰ると、 台所がピカピカにキレイになっていたのだった。 それが嬉しくて、妻のゆりこにキレイになった 台所の写メを送ったところ ”台所だけ?” というメッセージが帰ってきた。 それを見た俺は猛烈に腹が立った。 (なんだ、自分は実家でぬくぬくしてるくせに!) そこで小人の種の袋をよく見ると サイトのQRコードの記載があった。 スマホで読み込むと、小人の種が販売されていた。 俺は迷わず三十粒入りの袋を購入した。 翌日には着くというので 買ってきた弁当を食べ、風呂に入り 茹で卵を一個作って食卓の上に置いて寝た。 翌日、食卓を見ると茹で卵は跡形もなく消えていた。 夕食に食べた後の弁当の容器やらの残骸も キレいに分別されてゴミ箱へ入っていた。 そして台所はピカピカに輝いていた。 「ふ、ふ、ふ、ゆりこのやつ覚えていろよ」 俺は買ってきた十個入り卵パック 六パックを食卓の上に置いた。 そして茹で卵を三十一個を作り 食卓の上に置いた。 「今日届いたんだよな、小人の種♪」 俺は慣れた手つきで封を開け、 小人の種を水を張った深皿に入れた。 翌日、夜、家に帰ると 「信じられない、家の中が全てピカピカだ」 俺は感嘆の声をもらした。 そう、家の中は入居した時よりもキレイになっていて 新築の家そのものだった。 俺は鼻息も荒くゆりこに家の中の あらゆところの写メを送ってやった。 ゆりこは驚きというマークを送ってきた。 俺はいたって満足で、実家でゆっくりしてこいと メッセージを送ってやった。 だが、数日して家の中がミシミシ音がするのが 気になった。 「気のせいか?」 俺は夜、茹で卵を作りながら首を傾げた。 そして更に数日して俺は出張を命じられた。 「仕事だからな。 一日だし倍の茹で卵を作って置けばいいだろう」 そう思いながら六十二個の茹で卵を 食卓に置いた。 出張から帰った晩、ドキドキしながら 家の中に入ると 食卓の上の茹で卵はキレイに無くなっていた。 「ふぅ、家もキレイなままだし良かった。 だけどミシミシ音がするのは何だろうな」 ピンポーン 玄関のチャイムが鳴った。 (お、ゆりこのやつ。しびれを切らして 帰ってきたかな) 俺は玄関をあげるとそこには

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テーマ : ショートショート
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

ぷりちーぴ

Author:ぷりちーぴ
はじめましてちーぴ
主に4コマ・
ショートショートを
載せているちーぴ

(↑フィクションです。
実在の人物・団体等とは
関係ございません。
また、『SS』とは
ショートショートの
略として用いております)

地球のどこかで暮らす
宇宙生物ちーぴ。

*4コマの記念日はウィキを
参照しております。




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