SS230519 ブラック珈琲は自販機で・・・☕
SS230519 ブラック珈琲は自販機で・・・☕
「くそっ」
僕は非常階段の壁に
拳を打ち付けた。
「痛い・・・」
「バカねぇ、当たり前じゃないの」
後ろを振り向くと、
僕よりちょっと年上の事務員さんがいた。
「飲む?自販機の珈琲だけど」
僕はその珈琲を受け取って一口飲んだ。
「苦い」
「そりゃそうよ。ブラックだもの
あ、もしかしてミルクか砂糖もしくは両方
入れるタイプ?」
「いえ、普段からブラックです。
でも今は心がブラックな物ですから」
「ふふ、ポエマーね」
「笑わないで下さい。
あの案件が・・・僕のせいで・・・」
すると事務員さんは僕の目の前で
人差指をかざして
「はい、それ以上は言わない。
今することは、そのコーヒーを飲んで
苦い思いを流し込んで、気持ちを切り替える。
そして部長に頭を下げて
・代替案を出すか
・完全に新しい案を出すか
・撤退するか
行動に移す。
オーケー?」
事務員さんの指は綺麗なピンクにネイルされていた。
それは派手過ぎず地味すぎず
働く女性の手だった。
僕は珈琲をぐいっと飲み干した。
熱くてげほげほいったけど。
「大丈夫?」
「大丈夫です。これでも体育会系ですから」
「そう、じゃぁいってらっしゃい。
カップは自分で捨ててね」
「はい!」
僕は事務員さんにお辞儀をして
非常階段の扉を開けた。
開けると、そこは休憩室で
自販機が並んでいる。
「ありがとうな」
僕は自販機に礼を言うと
職場へと戻った。
了
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
サイドバーにある、お好きなアイコンを
ぽちりと押して下されば、
望外な喜びです。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
「くそっ」
僕は非常階段の壁に
拳を打ち付けた。
「痛い・・・」
「バカねぇ、当たり前じゃないの」
後ろを振り向くと、
僕よりちょっと年上の事務員さんがいた。
「飲む?自販機の珈琲だけど」
僕はその珈琲を受け取って一口飲んだ。
「苦い」
「そりゃそうよ。ブラックだもの
あ、もしかしてミルクか砂糖もしくは両方
入れるタイプ?」
「いえ、普段からブラックです。
でも今は心がブラックな物ですから」
「ふふ、ポエマーね」
「笑わないで下さい。
あの案件が・・・僕のせいで・・・」
すると事務員さんは僕の目の前で
人差指をかざして
「はい、それ以上は言わない。
今することは、そのコーヒーを飲んで
苦い思いを流し込んで、気持ちを切り替える。
そして部長に頭を下げて
・代替案を出すか
・完全に新しい案を出すか
・撤退するか
行動に移す。
オーケー?」
事務員さんの指は綺麗なピンクにネイルされていた。
それは派手過ぎず地味すぎず
働く女性の手だった。
僕は珈琲をぐいっと飲み干した。
熱くてげほげほいったけど。
「大丈夫?」
「大丈夫です。これでも体育会系ですから」
「そう、じゃぁいってらっしゃい。
カップは自分で捨ててね」
「はい!」
僕は事務員さんにお辞儀をして
非常階段の扉を開けた。
開けると、そこは休憩室で
自販機が並んでいる。
「ありがとうな」
僕は自販機に礼を言うと
職場へと戻った。
了
善き事がありますように。
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