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ss210917遥か銀河に手を伸ばし【白鳥と夢】

ss210917遥か銀河に手を伸ばし【白鳥と夢】


キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き

オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
       
花子さん:全身金色のタイツに
       スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。

これは元地球保護観察官が地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
ss210917遥か銀河に手を伸ばし【白鳥と夢s】

ジェルドは夢を見ていた。
そう、これは夢だと分かる明晰夢。
しかも誰かの夢の中。

小さな小さな有翼人種の子供がいる。
宇宙の白鳥と呼ばれる美しい種族。
だが、その子供には片翼しかなかった。
左側に、普通の有翼人種の羽より大きな片翼。
しかし、その有翼人種の子供は凍った瞳をしていて
通常の子供よりもしっかりしすぎていた。

(ああ、やっかいな存在の夢に入っちまったな)
それは有翼種族の皇太子の夢だった。
そして皇太子の夢は愛が凍っている。
その証拠に、夢の中で両親や兄弟を現わすのだろう人形が
凍っていた。
(困ったなぁ。この子を今抱きしめるということは
永遠の番扱いされかねない。この子もオレも男だしなぁ)
その時、小さな温かい夢が近づいてくるのを俺は感知した。

(しめた!しっかり愛情を持った女の子だ。彼女に頼もう)
オレはその小さな夢を手繰り寄せる。
やはり、しっかりとした愛情を持った女の子だ。
オレは彼女の目線に合わせて
「頼みがある。あの片翼の男の子は愛を知らない。
だから強烈な独裁者になってしまう。
だが、愛を知れば人々に慈愛を持った政策をして
歴史を残すだろう。
君は平穏な人生を送る権利があるが、
できれば彼と番になって愛してやってくれないだろうか」
すると彼女は、片翼の小さな男の子をみつめた。
そしてオレに向かってうなずくと、その男の子を抱きしめた。

片翼の小さな男の子=皇太子は、しばらくその腕の中で
動かないでいたが、その目から涙がつつっと流れてきた。
そして二人は大人の白鳥へと姿を変えて
互いを見つめ合った。

(やれやれ、これで暴君の誕生を防げたかな。
これ以上は野暮だから俺は起きるとしよう)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
オレは夢から起きてベッドから身を起こした。
そして宇宙船の窓の外を見る。
この暗い宇宙に瞬く星のどこかで
愛を交わしている白鳥がいるのだろうなと思いながら。




善き事がありますように。

お読みいただきありがとうございました。

宇宙生物ぷりちーぴm(__)m

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

201222-8遥か銀河に手を伸ばし「ルビーバンジャー」

201222-8遥か銀河に手を伸ばし「ルビーバンジャー」

「皆様、本日は『宝玉の翼』惑星観光ツアーに
ご参加いただきありがとうございます。
右手に見えます金色の惑星が
『宝玉の翼』惑星です。
同惑星は雲の中に、ルビーやサファイアを
構成するコランダムを含んでおり、
不純物と混ざるとルビーやサファイアを
形成いたします。
しかし、昼側の面は摂氏2500度になりますので
蒸発してしまう為近づくことはできません。
ですので、これから惑星の夜の面にある
ステーショナリーに着眼いたしまして、
そこから惑星降下船に乗り換えて
同惑星の雲の中でバンジージャンプをして
ルビーやサファイアを収集します。
その場合の注意事項は・・・・」

ツアーガイドの説明に私は少し眠くなってきた。
それは動画で何回も見ていて
飽きるほど聞いているからだ。

「あのう、有翼人種の方ですよね。
この星は有翼人種の方々にとっては
苦難の歴史であると聞いていますが」

左隣のスライム人が尋ねてくる。

「ええ、確かにこの星は我々
有翼人種にとって大変な星でしてね。
だからこそ【もう一度】見ておこうと
おもったのですよ」

「【もう一度】と言われますと?
あ、いや。聞きすぎですよね」

「いや、構いませんよ。
私はあの星のコロニーで
産まれたのです。
貧しい有翼人種の家庭にね。
今のように設備や備品の
整った生産方法が開発されてませんでした。
最低限の防護服を着て
バンジージャンプをして
羽にルビーやサファイアを
くっつけて採取する方法しか
無かったのですよ」

「そうですか」

スライム人の言葉に私は
言葉を続ける。

「雲の中に大勢の有翼人種が
バンジージャンプで
飛び込んで、雷に打たれたり
ロープを飛んでいる大きなルビーやサファイアに
切られたりして命を落としました。
翼も防護はしていても
飛んでいるルビーやサファイアを
くっつけるのでボロボロに
なりましてね。
それでも飛ばなくては行けなくて。
彼らはルビーバンジャー
呼ばれていましたよ」

私は一口ワインを飲んで続ける。

「翼にくっつくルビーはそうですね。
私のような有翼人種の指を飾る
位の大きさが主でしてね。
安く買いたたかられるのですよ。
雲に潜れば潜るほど
大きなルビーやサファイアを
採取できるのは分かっているのですが、
命と引き換えになりますからね」

「それは本当に命がけですね」
スライム人が相槌を打つ。

「私も15歳になった時に
ルビーバンジャーになりましたよ。
父親がもう、飛ぶことが
できなくなりましたから、
一家の大黒柱に私がなりました。
ある時、妹が病気になりましてね。
どうしても治療費が必要になりました。
そこでほんの少しロープを長く伸ばして
賭ける事にしたのです。
そして私は飛びました。
その雲の中のいつもは行かない奥は
小岩のようなルビーやサファイアが
飛んでおりましてね。
私は必死になって赤く光るルビーを
引き寄せて体全体を翼でくるんで
ルビーを抱き込みました。
そして無事生還したのですよ」

私は言い終えると少しぼんやりとした。

「大変な思いをされたのですね」

スライム人がそうつぶやく。

「そうですね。でも、そのおかげで
私はこの星から出る事ができました」

私は窓の外を眺めた。
大きな金色の惑星が輝いて見える。
『宝玉の翼』惑星、それは大勢の
有翼人種の血で輝いているのかも
知れない。


お読みいただきありがとうございました。

善き一日をお過ごしください。

宇宙生物ぷりちーぴm(__)m

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ジャンル : 小説・文学

ss201125‐9遥か銀河に手を伸ばし【ブラックホール】19

キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き

オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
       
花子さん:全身金色のタイツに
       スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。

これは元地球保護観察官が地球より帰還する航宇宙のお話。
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ss201125‐9遥か銀河に手を伸ばし【ブラックホール】:19

 一羽の白鳥が水辺にいる。
どこまでも白い白鳥は優雅に泳いでいる。
そしてこちらを向きを変えて羽ばたいて
羽が舞い上がりそして・・・
・・・ピピピピピ

(夢か・・・随分優雅な夢を見たな)

「ジェルドちゃん、起きた?
悪いんだけれど操舵室へすぐ来てくれない」

同僚のオーディスからコールがかかる。

オレは急いで服を着替えて操舵室へと急ぐ。

自動ドアをくぐると壁一面の画面に

有翼人種達の姿が映っていた。

「ジェルドちゃん、起こして悪かったね。
航宇宙の最中に恒星クラスのブラックホールの側を
通っっていたんだけれど、
丁度、有翼人種が数十人集まって
ブラックホールにどこまで近づけるか
遊んでいるのを発見してね」

同僚のオーディスがコンソールパネルから
目を離さずオレに話す。

「で、どうするんだ?」

オレとしては、そんな阿保な連中は放っておけば
いいと思う。自業自得だからな。
オーディスはそんなオレの気持ちを汲み取ったのか

「俺だって、普通だったらほっとくさ。
だけど事情が事情でね。
有翼人種の一国の皇太子が
その遊びをしているのさ」

「めんどくさい。
とっとと保護して国へ届けよう。
宅配便の箱はどこだ?」

「ジェルドちゃん、地球に毒され過ぎ。
有翼人種は知的生命体なんだから、
宅配便で送ったら国際問題もんでしょ。
本人達も宇宙船持っているだろうから、
俺たち元地球保護観察官は
宇宙検察官からなるからな。
権限で宇宙船の中に押し込めて
彼らの本星に直行便で
帰ってもらいましょ」

「そうするか。
オーディス、お前地球人類のアバターを
脱いで元の姿で全員捕獲してくれ。
俺は彼らの宇宙船を押さえる。
全く手間をかけさせてくれる」

「退屈しのぎになっていいんじゃない。
じゃぁ、ちょっといってくるわ」

こうして俺たちは危険な遊びをしている
有翼人種達を取り押さえた。
血気盛んな若者たちを大人しくさせるのは
苦労したが、なだめすかして彼らの
宇宙船へと乗らせて本星へと
進路を固定して帰らせた。

その中に明らかにひときわ輝く
若者がいた。
片翼の有翼人、皇太子だ。
目の輝き、放っているオーラが違う。
(あの夢の白鳥は彼の予知夢?)

目線が合う。彼はニヤリと笑った。
彼の国はとてつもない跡継ぎを
手に入れたのかもしれない。
俺は全ての有翼人種の為に祈った。



善き事がありますように。

お読みいただきありがとうございました。

宇宙生物ぷりちーぴm(__)m



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ss200914遥か銀河に手を伸ばし「片翼」

ss200914遥か銀河に手を伸ばし「片翼」

「何をしているのです、殿下」

気心の知れた従僕が尋ねてくる。

私はちらりと彼の方を見ると

紙飛行機を廊下から外へ飛ばした。

「いや、何でもないよ。ただ
紙飛行機を飛ばしているんだ」

「紙飛行機とは、人間種の地球時代、
空中飛行する乗り物の事ですよね」

「そう、それを折り紙という
おもちゃにしたのが、この紙飛行機だ。
だが、これは数学的に理にかなった
おもちゃなんだよ」

「簡単な作りに見えるのに
素晴らしい技術を秘めているのですね。
ところで殿下、いえ皇太子殿下。
帝がお呼びでいらっしゃいますが」

「父上が?私をどうしても次の帝にさせるか。
この片翼しか持たない私を」

私は従僕に背中の翼を広げる。
その翼は右側しか存在しなかった。
ただ、他の有翼人の2倍の大きさをしていた。

「私の片翼を大きくて立派だと誉めそやす。
だが、裏では空を飛べぬ者が次代の皇帝かと
陰口を叩く」

すると従僕がにこりと笑って
「そんな事をお気になさるとは器が小さいと
言われるだけです。
それに本当は気にしてもいらっしゃらないのでしょう」

私は頬を膨らませてツイっと横を向いた。

「お前は何でもお見通しだな。
次の皇帝の座を得るのは甘くないぞ。
虎視眈々と狙う兄弟姉妹は多いからな」

「それでも受けて立つのが貴方様です。
皇太子殿下」

従僕は優雅にお辞儀をする。

背中の翼をゆったりと舞わせて

前方の地にその羽をつけて。

私はため息をつく。

「・・・お前がそう言うなら

私は皇帝の地位に付こう。

だからお前は私から離れるな。決して」

「私がお仕えするのはただ一人、

貴方さまだけです。皇太子殿下」

「そうか。では行こう。父上の元へ」

彼は手元にあった紙飛行機を空へと放った。

それは明るい陽の光に向かって消えていった。



お読みいただきありがとうございました。

善き一日をお過ごしください。

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ss181128銀河の眠り姫は夢を見る

ss181128銀河の眠り姫は夢を見る

「おい、後作業時間1時間しかないぞ」
「せかすな、発見してわずか3時間で
掘り起こせなんて無茶な依頼
受けやがって」
「しかたないだろ。
報酬は莫大なんだ」
「冗談じゃねぇ。
二つの恒星の引力に
挟まれて、周期によって
真ん中で隕石ごと
引き裂かれてまたくっつくを
繰り返している場所で
事故を起こした宇宙船の
有翼人種の女王の亡骸を
ひっぺがしてこいなんて
無茶苦茶だ」
「そう言わんともう、
女王の入った
耐圧救助船の位置は
把握したんだろ。
早く引き揚げろ」
「ああ、やっと引き上げた。
今、母船に戻る。急ぐぞ」
レシーバーの向こうで了解という
部下の声が聞こえる。
引き上げ船が母船に戻って来た。
「おい、女王様の状態はどうだ」
「いや、もうコールドスリープ装置が
いかれてしまっている。
それでこのざまだ」
そう、眠れる有翼人種の女王は
漏れ出した燃料が惑星の干潮の圧に
まるで雨垂れ石を穿つがごとく
変化したのか、琥珀に包まれていた。
「・・・気の毒にな」
俺は手を合わせて合掌した。
部下もそれぞれの地域の習慣の
哀悼の意を表した。
しかし、その美しさは
胸が打たれるものがあったのだった。

参考文献:
暮らしの中の故事名言辞典
     農学博士 新井栄治編
     集英社




テーマ : 今日のつぶやき
ジャンル : ブログ

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ぷりちーぴ

Author:ぷりちーぴ
はじめましてちーぴ
主に4コマ・
ショートショートを
載せているちーぴ

(↑フィクションです。
実在の人物・団体等とは
関係ございません。
また、『SS』とは
ショートショートの
略として用いております)

地球のどこかで暮らす
宇宙生物ちーぴ。

*4コマの記念日はウィキを
参照しております。




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