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210505-2遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-22

キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
      「オーディス、朝だ。起きろ」

オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
      「ふわぁ、昨日騒ぎ過ぎた。一風呂浴びてくる。」

花子さん:全身金色のタイツに
       スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
      「今日は子供の日ですね。
       菖蒲湯を用意しておきますか」
      
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
      「隣の宇宙船のAI自動操縦機、
       振られたな、ありゃ」

これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________

210505-2遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-22


「ジェルドちゃん、朝風呂してきたけれど
菖蒲湯だったぞ」

「ああ、そうだな。オレはお前より先に入ったから
誰もいなくて堪能させてもらったぞ。
それより、お前の荷物散らかり過ぎだ。
オレはパッキングをし終えたから
リビングで待っているからな。
朝食会場が混む前に降りてこい」

「りょうか~い」

オレは、オーディスの回答を信じていないので
リビングのカフェでコーヒーを飲んで
待つことにした。
旅館のリビングは天井が高い。
昨日は気づかなかったが、
大きな布がたくさん垂れ下がっている。

「あ、おはようございます」

それは昨日夜桜を一緒に観た
中居だった。

「ああ、おはようございます。
これはもしかして鯉のぼりですか?
今朝も菖蒲湯でしたし、
相棒が喜んでいましたよ」

すると中居が嬉しそうに

「はい、今日は地球の日本では
端午の節句ですから。
それに合わせて鯉のぼりを
飾りましたの」

「これだけの数があると
圧巻ですね」

「ええ、うちの名物なんですよ。
これを目当てにお子様連れが
訪れて下さるのですよ」

「すると我々と入れ違いになる
ようですね」

「・・・行ってしまわれますのですね」

「はい。とても楽しい時間をありがとうございました」

「いえ、おもてなしをお気に召していただけるのは
嬉しいことですので」

「おーいジェルドちゃん。お待たせぇ」

「ああ、オーディス。今行く。
それではまた後で」

「いえ、朝食会場も藤の花を天井から飾られていて
床の間にレプリカですが武者鎧を飾って
おりますからお楽しみください」

オレは目礼して、オーディスは手を振って
朝食会場へと向かった。
彼女と会うことはまたあるだろうか。
移ろいゆく景色と彼女が何故かかさなったのだった。


善き事がありますように。

お読みいただきありがとうございました。

宇宙生物ぷりちーぴm(__)m

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

210502-1遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-21

キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
      「オーディス、遅かったな」

オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
      「おお、大衆演劇サイコーだぜ!」

花子さん:全身金色のタイツに
       スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
      「抹茶ケーキを食べますか。
       二人には内緒です」
      
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
      「隣の宇宙船のAI自動操縦機、
       なにナンパしてるんだ?」

これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________

210502-1遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-21


「ジェルドちゃん、大衆演劇の福袋買ったんだよ。
中にお饅頭があるから食べない?」

「そうだな、いただこう。
お茶を用意しよう」

「お、気が利くね。
おお懐かしい紅白饅頭だぁ。
しかもトップスターのイラストを
焼き印で押してあるぜ」

「そうか。それは良かったな」

「あ、ジェルドちゃん。俺、紅白饅頭
赤貰うね」

「どっちも味は一緒だろう。
俺に異存はない」

「いやぁ、大衆演劇楽しかったよぉ。
花形が舞台に上がると鯉のぼりがお客の頭上を
泳ぐんだけれど、お客の頭すれすれを泳いでね。
捕まえようとすると、するりと逃げるんだ。
それで鯉のぼり課金をすると、課金した人の所に
来るんだよ」

「?鯉のぼりに何故課金をする」

「じぇるどちゃん、疎いね。
鯉のぼりの色によって花形と
握手したり写真撮ったり、レアグッズ
貰えたりするんだぜ。
俺なんか、課金しなくても鯉のぼり
捕まえちゃうから、呼び出されてさ。
花形のプロマイド写真にサイン入れて
一等の福袋もらって、
一緒に写真撮って盛り上がったぜ」

「・・・それは気の毒にな、その一座の連中」

オレは心底、同情した。


善き事がありますように。

お読みいただきありがとうございました。

宇宙生物ぷりちーぴm(__)m

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

210428-8遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-20

キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
      「中居さん、空気が冷たい。部屋へ戻りましょう」

オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
      「うぉぉぉぉ大衆演劇サイコー!」

花子さん:全身金色のタイツに
       スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
      「桜茶はとっておきのお茶なのです。
       二人には内緒です」
      
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
      「隣の宇宙船のAI自動操縦機、
    なんか泣き上戸だったのか・・・」

これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________

210428-8遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-20


「ええ、すいません。お客様をこんな寒い場所に
留め置いて」

中居さんは髪の毛を結い上げている。
オレは中居の白い首筋とほつれた短い髪が
ぼぉっと暗闇の中で浮かんでいるのを
そっとみつめた。

「月面旅行はどうでしょうか」

オレはボソリと言ってみた。
すると中居は

「いえ、私の故郷はここですから。
あ、でもお取り寄せなんかはいいかも
しれませんね。
日本に長くいらしたのなら、
何か良い物をご存じありませんか」

そう言ってオレに笑顔を向ける中居は
既に接客業の従事者のそれだった。

「そうですね。日本は海の幸も山の幸も
熱帯から寒冷まで様々な食に満ち溢れて
ますからね。
やはり定番のお寿司ですかね」

「あら、お寿司なら地球から取り寄せた
食材で、こちらでも食べる事ができますのよ」

中居はそう言ってくすくす笑った。

「そうですか。それならやはり駅弁がいいかもしれない。
ご当地の牛肉弁当やちらし寿司、海鮮丼やら
そりゃあご当地自慢が山ほどありますからね。
そうだ、今度贈りましょう。
ここの旅館の中居さん達全員に」

すると中居はびっくりした顔をして

「それはみんな喜びますけれど・・・
宜しいのですか」

「元地球保護観察官なんてお金の使い道がなくてね。
それよりも、舌の肥えた旅館の従業員さんから
確かな料理の味を教えてもらった方が
楽しいんじゃないですかね。
カタログをフロントに転送しておきますから
みんなで選んでください。
あ、負担にならないように金額の上限は
設定しておきますから」

「それなら・・・ただ、女将には話を通しておきますので
しばしお待ちくださいね」

「いいですよ。明日の朝にでもフロントに
言付けていただければ。
さ、そろそろ参りましょう。
風邪をひいてしまいますよ」

「あら、私は元気だけなのが取り柄なのですよ」

こうしてオレ達は夜桜を後にして
旅館に戻るのだった。


善き事がありますように。

お読みいただきありがとうございました。

宇宙生物ぷりちーぴm(__)m

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

210425-7遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-19

キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
      「中居さん、貴女は・・・」

オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
      「アンコール!アンコール!」

花子さん:全身金色のタイツに
       スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
      「オーディス様の部屋、終わったら
       桜茶を淹れましょう」
      
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
      「隣の宇宙船のAI自動操縦機、
    なに、エネルギー吹いてんだっ」

これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________

210425-7遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-19


「中居さん、貴女は地球人のアバターを
着用していますよね。ですが本当は・・・」

すると中居は涙を手で拭くと

「はい、確かに私は地球人のアバターを
着用しておりますが、本体も地球人です。
日本人の」

そして中居は話を続ける。


「正確には私の祖母が日本人で、
地球に不時着した父と出会ったのです。
地球人との婚姻は
地球人のアバターを着用しないと
できないので、
産まれた子供は地球人です。
その後、様々な手続きを経て
祖母たちは地球を離れ
この星で旅館を開く事になったのです」

「そうですか。
でも、貴女にとって、故郷はここではありませんか」

「確かにこの星を愛しております。
旅館の仕事も好きですし。
ですがいつも思うんです。
自分の本体を保存してある
カプセルセンターに行って
自分の体をみる度に、
自分が地球の日本人であることを
強烈に意識します。
他の方々は、地球人のアバターを
着用することをコスプレをするように
割り切って楽しんでおられます。
ですが、本来の私の地球人の体は
この星の気候にも耐えられない。
そんな弱い体を一生
カプセルセンターに保存して
この星の気候に耐えられる
地球人のアバターを着ている
私は何者だろうかと。
・・・悩んでしまいます」

俺にはどうすることもできないことだった。
宇宙人との間にできた子孫たちは
今の地球文明の前の文明の者達が
庇護している。
だが、その代わりに今の地球に
降りる事は許されていない。
それは今の地球文明より高度な技術を
提供する危険性や
宇宙人側の親の遺伝子を受け継いでいる
部分もあるので、
地球人の遺伝子レベルでの変化を
促してしまう可能性がある。
その他にもどんな変化があるか
分からないからだ。

「桜が綺麗ですね」

俺は空を見上げながらそうつぶやいた。
中居も空を見上げながら

「そうですね」

その目は潤んでいたが涙はもう流れていなかった。


善き事がありますように。

お読みいただきありがとうございました。

宇宙生物ぷりちーぴm(__)m

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

210421-6遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-18

キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
      「日本の桜か・・・」

オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
      「いやっほぉー!大衆演劇最高ぉぉぉ」

花子さん:全身金色のタイツに
       スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
      「ふぅ、やっとオーディス様の部屋の
       お掃除が終わったわ」
      
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
      「隣の宇宙船のAI自動操縦機、
    補給でミスってる。遊んでいるからだ。」

これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________

210421-6遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-18


「オレもついこの間まで地球の日本に赴任していたのですよ」

オレは中居をみながらそう告げた。
すると中居は顔をぱぁっと笑顔にして

「そうなのですか。ですから他のお客様と反応が違うなと
思いました。
他のお客様だとビューティフルとか素晴らしいと言った
こう言っては何ですが観光客的な感想が返ってくるのです。
でも、お客様はどこか懐かしそうに眺めていらしたので。
そうだったのですね」

「ええ、色々行きました。
里山の中に一本だけ大きく生えている桜とか
街中の桜並木、山が桜に覆われている景色など。
桜前線と共に九州から北海道まで
旅したこともありますよ。
あ、これは内緒ですよ。任務上の事なので」

すると中居はくすくす笑って
「はい、任務上の事なのですね。
黙っておきますわ」

「何でしたら、桜のデーターをお分けしましょうか。
任務に支障のない範囲の画像ですから」

「本当ですか、お願いします」

そこでオレと中居は手のひらを
向かい合わせにして生体記憶媒体装置を
ONにして、データーのやり取りをした。

「これが日本の桜なのですね」

中居の瞳からつーっと一筋の涙がこぼれるのだった。

善き事がありますように。

お読みいただきありがとうございました。

宇宙生物ぷりちーぴm(__)m

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

ぷりちーぴ

Author:ぷりちーぴ
はじめましてちーぴ
主に4コマ・
ショートショートを
載せているちーぴ

(↑フィクションです。
実在の人物・団体等とは
関係ございません。
また、『SS』とは
ショートショートの
略として用いております)

地球のどこかで暮らす
宇宙生物ちーぴ。

*4コマの記念日はウィキを
参照しております。




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