210217-6遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種12】29‐11
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「花子さん、お父様方にお香のお代わりを」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「そうだな、宇宙学校へ留学はいいな」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「はい、落ち着くローズウッドをお出ししますね」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「では、惑星に戻ってお話を進めて下さい」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210217-6遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種12】29‐11
「お父様方、私は荒唐無稽な話をしているのでは
ございません。
まず、・ご息女とご子息が未成年であること。
・ご子息は、あなた方の風習で
ご息女と結婚する以外ないこと
・貴星に密貿易をする方法しか
他の星との交流がないこと」
オレは一旦、言葉を切った。
そして続ける。
「幼い二人を生かして尚且つ
ご子息の願いを叶えるには、
宇宙連盟に加盟するのがベストでしょう。
その布石として、幼い二人を
宇宙学校へ入学させるという形を取り、
必ず発生する反対派からの
凶刃から守る必要性があります。
そして、二人が卒業するまでに
ある程度の国交を開く
準備を整えてはいかがでしょうか」
すると仙人掌人の少年の父親たちが
しばし沈黙した。
そして
「それは、我らだけでは決めかねる。
ただ、我が息子とそちらの娘を
宇宙学校へ留学させるのは、
我らのクランと娘の家族との間で
決定した」
「父様達、認めて下さるのですか」
仙人掌人の少年が嬉しそうに声を上げた。
「そんな喜ばしいことではない。
宇宙学校へ留学させると決まった時点で
そなたとその娘は、クランと家族から
義絶扱いとなってしまったのだ。
それが最低条件だ。
お前がよく、この星の外のことを
勉強していたのは皆が認めるところだから。
だけどな、月下美人のお前が
宇宙警察が務まるのかと思うと・・・
心配でならないよ」
「父様達、ごめんなさい。
でも、僕は夜空を見ながら
いつかあの空を駆け巡ってみたかったんです。
その夢を叶えてくれてありがとう」
「我々はまだ、そなたを手放したくない。
手元に置いておきたかった。
だが、旅立つのだな」
仙人掌人の少年の父親たちが
寂しそうに言葉を紡ぐ。
「あのー。しんみりしている所申し訳ないけれど
宇宙学校への入学手続きと留学費の
申請をしないといけないんですけれどね」
オーディスがおどけて言う。
すると仙人掌人の少年少女がハッとした顔をした。
それを見たオーディスが片目をつぶって
「大丈夫。うちのAI自動操縦機は優秀でね。
国交を開く可能性のある星からの留学生は
無料で入学できる制度だそうだ」
仙人掌人の少年少女達はほっとした顔をした。
「二人は近くの星まで宇宙学校の職員が
迎えに来ますので、そこまで
我々がお送りしましょう」
オレがそう言うと、
仙人掌人の少年少女の父親達は
うなずいて、
「よろしくお願いいたします。
それでは、我々はそれぞれの妻に
話をして、国交を開く件について
話を進めましょう。
元々、密貿易については問題に
なっていたので丁度よかったとも
いえるでしょう。
それでは、我々は帰還させて
いただきます」
「父様達」
「父様!」
仙人掌人の父親達は二人には
目もくれずに自船へ戻ったようだ。
残されたのは通信用に
父親達の香りと花粉が入っていた
二つの緑とピンクのカプセルが
転がっていた。
「ほらほら、めそめそするなって。
二人で決めたんだろう。
宇宙警察になるってさ。
そうだ、お前たちの親父たちが
動かしていたカプセルな。
AIを中に入れて動かせるように
してやるよ。
作業するから来ないか」
こういう時オーディスは人の
慰め方が上手い。
オレはオーディスとアイコンタクトで
頼むと伝えた。
その後、仙人掌人の少年少女は
迎えに来た宇宙学校の職員の船に
引き取られた。
オレとオーディスの静かな日常が
戻った。
「なぁなぁジェルドちゃん、
あの子達元気一杯だったな」
「ああ、あそこまで元気だったら
宇宙警察官も務まるさ。
あ、花子さん緑茶をもらえるかな」
「あ、俺コーヒーがいい」
こうして俺たちの船は何事もなかったのように
宇宙空間を滑るように航行するのだった。
了
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「花子さん、お父様方にお香のお代わりを」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「そうだな、宇宙学校へ留学はいいな」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「はい、落ち着くローズウッドをお出ししますね」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「では、惑星に戻ってお話を進めて下さい」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210217-6遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種12】29‐11
「お父様方、私は荒唐無稽な話をしているのでは
ございません。
まず、・ご息女とご子息が未成年であること。
・ご子息は、あなた方の風習で
ご息女と結婚する以外ないこと
・貴星に密貿易をする方法しか
他の星との交流がないこと」
オレは一旦、言葉を切った。
そして続ける。
「幼い二人を生かして尚且つ
ご子息の願いを叶えるには、
宇宙連盟に加盟するのがベストでしょう。
その布石として、幼い二人を
宇宙学校へ入学させるという形を取り、
必ず発生する反対派からの
凶刃から守る必要性があります。
そして、二人が卒業するまでに
ある程度の国交を開く
準備を整えてはいかがでしょうか」
すると仙人掌人の少年の父親たちが
しばし沈黙した。
そして
「それは、我らだけでは決めかねる。
ただ、我が息子とそちらの娘を
宇宙学校へ留学させるのは、
我らのクランと娘の家族との間で
決定した」
「父様達、認めて下さるのですか」
仙人掌人の少年が嬉しそうに声を上げた。
「そんな喜ばしいことではない。
宇宙学校へ留学させると決まった時点で
そなたとその娘は、クランと家族から
義絶扱いとなってしまったのだ。
それが最低条件だ。
お前がよく、この星の外のことを
勉強していたのは皆が認めるところだから。
だけどな、月下美人のお前が
宇宙警察が務まるのかと思うと・・・
心配でならないよ」
「父様達、ごめんなさい。
でも、僕は夜空を見ながら
いつかあの空を駆け巡ってみたかったんです。
その夢を叶えてくれてありがとう」
「我々はまだ、そなたを手放したくない。
手元に置いておきたかった。
だが、旅立つのだな」
仙人掌人の少年の父親たちが
寂しそうに言葉を紡ぐ。
「あのー。しんみりしている所申し訳ないけれど
宇宙学校への入学手続きと留学費の
申請をしないといけないんですけれどね」
オーディスがおどけて言う。
すると仙人掌人の少年少女がハッとした顔をした。
それを見たオーディスが片目をつぶって
「大丈夫。うちのAI自動操縦機は優秀でね。
国交を開く可能性のある星からの留学生は
無料で入学できる制度だそうだ」
仙人掌人の少年少女達はほっとした顔をした。
「二人は近くの星まで宇宙学校の職員が
迎えに来ますので、そこまで
我々がお送りしましょう」
オレがそう言うと、
仙人掌人の少年少女の父親達は
うなずいて、
「よろしくお願いいたします。
それでは、我々はそれぞれの妻に
話をして、国交を開く件について
話を進めましょう。
元々、密貿易については問題に
なっていたので丁度よかったとも
いえるでしょう。
それでは、我々は帰還させて
いただきます」
「父様達」
「父様!」
仙人掌人の父親達は二人には
目もくれずに自船へ戻ったようだ。
残されたのは通信用に
父親達の香りと花粉が入っていた
二つの緑とピンクのカプセルが
転がっていた。
「ほらほら、めそめそするなって。
二人で決めたんだろう。
宇宙警察になるってさ。
そうだ、お前たちの親父たちが
動かしていたカプセルな。
AIを中に入れて動かせるように
してやるよ。
作業するから来ないか」
こういう時オーディスは人の
慰め方が上手い。
オレはオーディスとアイコンタクトで
頼むと伝えた。
その後、仙人掌人の少年少女は
迎えに来た宇宙学校の職員の船に
引き取られた。
オレとオーディスの静かな日常が
戻った。
「なぁなぁジェルドちゃん、
あの子達元気一杯だったな」
「ああ、あそこまで元気だったら
宇宙警察官も務まるさ。
あ、花子さん緑茶をもらえるかな」
「あ、俺コーヒーがいい」
こうして俺たちの船は何事もなかったのように
宇宙空間を滑るように航行するのだった。
了
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m