奥様は魔女なのでこんなディナーもある:ss
「きゃぁっ」
キッチンから奥様の悲鳴が上がる。
俺は何事かと書斎から飛び出した。
するとキッチン兼リビングでは、
魚の骨が大量に泳いでいた。
「お前、これは一体」
「あの、実は魔女友から
ボーンフィッシュを頂いたから、
素揚げをしようとして
泳がせていたら、量がおおくて
鍋からあふれちゃったの」
実は奥様は魔女なのだ。
だから時々思いもよらない食材が
食卓にあがる。
よく太っためだか程の大きさの
魚の骨が目の前を回遊している。
「と、とにかく風魔法化何かで
食卓の上に魚を集められないか」
「そ、そうね。そうだわコンロ持ってきてきて
食卓で揚げちゃいましょ。
風魔法で回流を作って、油にくぐらせればいいわ」
「そうだ、俺ちょっと面白い物持ってくる」
そう言って俺は書斎からある物をとってくる。
戻ると、食卓のコンロの鍋の上で
ボーンフィッシュが回流の渦を作っている」
そして、俺は奥様に金魚すくいの網を渡した。
「あはは、これって去年のお祭りでもらった物じゃない」
「うん、ちょっと季節はやいけれど面白いかなと思って」
「じゃぁ、網を強化するわね、・・・これでよし」
こうして俺たちは、ボーンフィッシュを油の鍋から
すくいながら、酒盛りをしたのだった。
奥様は魔女だとこんなディナーもありなんだな。
了