ss190831奥様は魔女と幽霊
「ランランラン♪あなたと二人で帰宅
うっれしいなっと」
そう言って奥様は夜道をスキップする。
「おいおい、人目がないからって
子供みたいな真似するなよ」
そういう俺は苦笑しながらも嬉しさを隠せない。
そう、奥様は時々俺を駅迄迎えに来る。
そうして二人で帰るのは気恥ずかしさと嬉しさが
ないまぜになったような感覚になる。
そして浮かれている奥様を見て
俺は悪戯心がわいてくる。
「お前しってるか?この辺出るらしいぞ」
「出るってなにが?」
俺が両手を胸の前で垂らして
「うらめしや~」と言ってみる。
「?ああ、それってジャパニーズゴーストね。
もしかしてこんな感じ?」
・・・奥様は魔女なのだ。しかも魔女界育ち
虫のGのいない北海道人がGを見ても
何とも思わないのと同様の・・・て
「で、出たーっ」
「うらめ・・・て待ってぇええええ」
幽霊がなんか言ってる。
だけど俺は奥様の手を引っ張って
猛ダッシュ中。
家の玄関に入って息を整える。
「はぁはあ。何よダーリン。自分が
ジャパニーズゴーストの話をしたんじゃない」
「まさかいるとは思わなかったんだよぉ」
その後、町内会で道端の幽霊の目撃者が
多数現れて、お坊さんにお祓いをしてもらったのは
後日談なのだった。
両