ss200722占いレスキューURI「ラップルコンクリート工法」:
tolururururuu
ガチャ
「はい、こちら占いレスキューURIです」
「あ、どうも。実は今日の占いを見て
困っているのですが」
「占いは何のジャンルで不特定多数向けですか」
「12星座で万人向けです。
それが、運勢が最悪で、ラッキーアイテムが
ラップルコンクリート工法だったんです」
「ラップルコンクリート工法ですか」
「そうです。ラップルコンクリート工法とは
軟弱な土を取り除いて良好な地盤の上にコンクリートを置く
工法みたいです」
「それはお困りですね。
でも、無理してラップルコンクリート工法をする
必要性はございません。
ラップルコンクリート工法という言葉から何か
行動を起こしてみる、という事が大事です。
ただ、思い余って犯罪に走る行動は
慎んでくださいませ」
「俺には年老いた両親に幼い弟妹がいるんです。
そんな事をしている暇はありません。
それよりラップルコンクリート工法なんて
俺、土木関係の知識ないですよ。なんですか、これ。
ていうか俺、僧侶なんですけれど恥ずかしながら」
「そうですね・・・。それではお客様は
ラップルコンクリート工法という言葉から
どうなさりたいとお思いですか」
「どうするって・・・Σ(゚д゚|||)今、御仏の思し召しが。
何かうちの近所で何かあるというお告げがっ
すいません。ちょっと行ってきます。
ご相談にのって下さりありがとうございましたっ」
ガチャン。
「・・・そうですか。
成功するかどうかが大事ではなく
取り組むことが開運です。
ただし個人的に本当に当たる占い師に
ご相談の場合はその言葉を熟慮して
行動して下さいませ
どうぞ、よい一日を」
・・・・・・・・・・
(なんか道が光ってる。
この光にそっていけばいいのでしょうか。
仏様、あ、工事してる)
「監督ぅ、コンクリート流していいですかぁ」
「おう、頼むぞ」
「ちょっと待ったぁっっっ」
「お坊さん、どうしたんですか」
「いや、ミキサー車の下。ちょっと見て
いいですか。
ああ、やっぱり子猫だ。
子猫がミキサー車の下にいます!」
「本当だ。おーい救出するぞぉ」
こうして救出された子猫は
お寺で飼う事になった。
助けた後、よく面倒をみたせいか、
俺によく懐いた。
ご本尊の前で読経をしていると
隣で座って聴いている。
そして、暇さえあればご本尊の前で
寝ているので、近所で評判になり
お参りに来る人が増えた。
特に有名にはならなかったが、
穏やかな日常が続いているので
その事を有難いと思い今日も
猫を隣に読経をあげる俺がいる。
な〜む〜。
了
テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学