201228-10遥か銀河に手を伸ばし【鍋にたどり着くその過程】23
こんにちは!FC2ブログトラックバックテーマ担当の葉月です今日のテーマは「好きな鍋料理はなんですか?」です12月に入り、すっかり寒くなってきましたね今年もお鍋がおいしい季節になりました鍋料理は材料を切ってお鍋に入れるだけで簡単にできますし、体が温まるので、冬になると週に2回くらい食べちゃいますそんな鍋好きな葉月ですが、ズバリ一番好きなお鍋は「しゃぶしゃぶ」です薄切りの豚肉に濃厚なゴマダレのコンビネ...
FC2 トラックバックテーマ:「好きな鍋料理はなんですか?」
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「地球人アバター、なぜ酒に弱い設定・・・」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「年末だぁ地球は年末年末だぁ」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「今から盛り上がってどうするんでしょうねぇ。大掃除あるのに」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「船の中で暴れないでください」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
201228-10遥か銀河に手を伸ばし【鍋にたどり着くその過程】23
「なぁ、花子さん。今日の夕飯なに?」
ミーティングルームで相方のオーディスが
全身金色のタイツにスケルトン家事ロボットを
入れたメイドロボットに話しかける。
「今日は地球の日本で食べられる『たら鍋』です。
地球を立つ前に仕入れて置いて四次元倉庫に
入れておきました」
「おお、たら鍋かぁ。鍋はいいよなぁ。
色んな食材が味わえるもんな。
これに日本酒が合うのよ。
あ。でもジェルドちゃんの地球人アバター
酒に弱いんだよね」
俺は読んでいた本から顔を上げ、
「確かに弱いが、アルコール分解カプセルを
飲めば問題ない。第一オレは鯨飲するような
飲み方は好まない」
「鯨飲かぁ。俺の元の体だと宇宙クジラを
一頭食べちゃうんだけどな」
「オーディス、落ち着け。
宇宙クジラをどうやってお前の種族が食べるのか
興味があるが、あの大きさをさばく場所がないし
この船は地球人アバター着用サイズだ。
地球人の身体は宇宙クジラを
食べるようにはできていない」
「そうなんだよなぁ。
だけど今、丁度暇を持て余しているのよ、
ジェルドちゃん。
なぁ、花子さん。この辺に
宇宙クジラの群れとかない?」
「そうですね。右舷方向に小さな群れが
いますね」
「そうか、分かった。
じゃぁ、ちょっと本体戻って泳いでくるわ」
「おい、だからこの船に宇宙クジラを
さばく場所はないぞ」
「キャッチ&リリースしてくる。
とにかく地球人アバターを
終日着ていると体がなまっちゃうもん。
この辺りで船を停泊させといて
くれない?お願いジェルドちゃん♪」
オレは溜息をついて
「分かった。この辺りの星の軌道を
回っている小惑星に停泊している。
ただ夕飯までには帰れよ」
「りょうーかーい。んじゃいってきまーす♪」
オーディスは小躍りして
ミーティングルームを出ていった。
「いってらっしゃいませ、オーディス様」
花子さんが律儀にお辞儀する。
オレはお茶を花子さんに所望し
再び本を読み始めた。
了
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ss201225-9奥様は魔女と鍋料理
ss201225-9奥様は魔女と鍋料理
「うう、寒いなぁ。早く家に入ろう」
今日は12月25日の夜。
すっかり一大イベントと化した
クリスマスイブを過ぎると
現金な物で、
ケーキもクリスマス商戦も
お勤め品がメインになってくる。
我が家は奥様が魔女なので
クリスマスは関係ない。
そう、奥様は魔女界からやってきて
俺と出会い結ばれた。
それでもなんとなく世間の
空気に合わせるのが日本人らしいところか。
安売りしていたケーキを買ってしまった。
「ただいまぁ」
「お帰りなさい。お風呂入ってね」
廊下のドアが少し開いて
奥様が応える。
「うん、ただケーキ買ったんだ。
とりに来てくれるかな」
そう、このご時世まず帰宅したら
風呂に入って汚れを落とすのが
習慣と化している。
「了解。よく温まってね」
・・・・・・・・・・・・・
「ふぅ、いいお湯だった。
お、今日鍋にしてくれたの?
何の鍋?」
すると奥様がいたずらっぽく笑って
「牡蠣鍋でーす。でもメインは豆腐❤」
「え?豆腐がメインの鍋って
聞いたことないぞ」
「まぁまぁそう言わずに席について、ね♪」
俺は首を傾げながら席に着く。
鍋は丁度良い煮え具合のようだ。
すると奥様が、
「ガン○ムいきまーす」
と言って呪文を唱えると
「え、え?これ豆腐?
ザ〇の形をした豆腐?」
そう、鍋の水面下から現れたのは
赤と緑の二種類のザ〇達だった。
小さな豆腐がザ〇頭達が
ぽこぽこと鍋の湯の中を
水面から出たり潜ったりしている。
「ガン○ムじゃないじゃないか。
だけどうれしいな。ありがとう
え、夕方特売だったから
買っただけなの、そうなんだ。
でも俺的に嬉しい。
いただきまーす」
すると奥様がふふふんと笑って
「お箸よく見て。ガン○ムの
柄になっていまーす。
だから合ってまーす」
「あ、本当だ。恐れ入りました。
ガンダ〇のシールを魔法で箸に
貼り付けたの、ありがとう。
とにかく腹ペコだ。食べるよ」
俺はさっそくお玉で赤〇クの豆腐を
すくおうとした。
すると赤ザ〇が逃げる。
もう一回すくおうとすると、
今度は鍋に潜る。
「あの?奥様、この豆腐逃げるんですけど」
「ぴんぽーん。魔法でお豆腐を
動くようにしておきました。
他の具も食べつつお豆腐を食べてね。
でも他の具を食べすぎると
逃げられる確率が高くなりまーす」
ガン○ム箸にも魔法をかけてくれないかなと
思う俺がいた。
奥様最高のプレゼントをありがとう。
メリークリスマス
了
お読みいただきありがとうございました。
善き一日をお過ごしください。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
「うう、寒いなぁ。早く家に入ろう」
今日は12月25日の夜。
すっかり一大イベントと化した
クリスマスイブを過ぎると
現金な物で、
ケーキもクリスマス商戦も
お勤め品がメインになってくる。
我が家は奥様が魔女なので
クリスマスは関係ない。
そう、奥様は魔女界からやってきて
俺と出会い結ばれた。
それでもなんとなく世間の
空気に合わせるのが日本人らしいところか。
安売りしていたケーキを買ってしまった。
「ただいまぁ」
「お帰りなさい。お風呂入ってね」
廊下のドアが少し開いて
奥様が応える。
「うん、ただケーキ買ったんだ。
とりに来てくれるかな」
そう、このご時世まず帰宅したら
風呂に入って汚れを落とすのが
習慣と化している。
「了解。よく温まってね」
・・・・・・・・・・・・・
「ふぅ、いいお湯だった。
お、今日鍋にしてくれたの?
何の鍋?」
すると奥様がいたずらっぽく笑って
「牡蠣鍋でーす。でもメインは豆腐❤」
「え?豆腐がメインの鍋って
聞いたことないぞ」
「まぁまぁそう言わずに席について、ね♪」
俺は首を傾げながら席に着く。
鍋は丁度良い煮え具合のようだ。
すると奥様が、
「ガン○ムいきまーす」
と言って呪文を唱えると
「え、え?これ豆腐?
ザ〇の形をした豆腐?」
そう、鍋の水面下から現れたのは
赤と緑の二種類のザ〇達だった。
小さな豆腐がザ〇頭達が
ぽこぽこと鍋の湯の中を
水面から出たり潜ったりしている。
「ガン○ムじゃないじゃないか。
だけどうれしいな。ありがとう
え、夕方特売だったから
買っただけなの、そうなんだ。
でも俺的に嬉しい。
いただきまーす」
すると奥様がふふふんと笑って
「お箸よく見て。ガン○ムの
柄になっていまーす。
だから合ってまーす」
「あ、本当だ。恐れ入りました。
ガンダ〇のシールを魔法で箸に
貼り付けたの、ありがとう。
とにかく腹ペコだ。食べるよ」
俺はさっそくお玉で赤〇クの豆腐を
すくおうとした。
すると赤ザ〇が逃げる。
もう一回すくおうとすると、
今度は鍋に潜る。
「あの?奥様、この豆腐逃げるんですけど」
「ぴんぽーん。魔法でお豆腐を
動くようにしておきました。
他の具も食べつつお豆腐を食べてね。
でも他の具を食べすぎると
逃げられる確率が高くなりまーす」
ガン○ム箸にも魔法をかけてくれないかなと
思う俺がいた。
奥様最高のプレゼントをありがとう。
メリークリスマス
了
お読みいただきありがとうございました。
善き一日をお過ごしください。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
201222-8遥か銀河に手を伸ばし「ルビーバンジャー」
201222-8遥か銀河に手を伸ばし「ルビーバンジャー」
「皆様、本日は『宝玉の翼』惑星観光ツアーに
ご参加いただきありがとうございます。
右手に見えます金色の惑星が
『宝玉の翼』惑星です。
同惑星は雲の中に、ルビーやサファイアを
構成するコランダムを含んでおり、
不純物と混ざるとルビーやサファイアを
形成いたします。
しかし、昼側の面は摂氏2500度になりますので
蒸発してしまう為近づくことはできません。
ですので、これから惑星の夜の面にある
ステーショナリーに着眼いたしまして、
そこから惑星降下船に乗り換えて
同惑星の雲の中でバンジージャンプをして
ルビーやサファイアを収集します。
その場合の注意事項は・・・・」
ツアーガイドの説明に私は少し眠くなってきた。
それは動画で何回も見ていて
飽きるほど聞いているからだ。
「あのう、有翼人種の方ですよね。
この星は有翼人種の方々にとっては
苦難の歴史であると聞いていますが」
左隣のスライム人が尋ねてくる。
「ええ、確かにこの星は我々
有翼人種にとって大変な星でしてね。
だからこそ【もう一度】見ておこうと
おもったのですよ」
「【もう一度】と言われますと?
あ、いや。聞きすぎですよね」
「いや、構いませんよ。
私はあの星のコロニーで
産まれたのです。
貧しい有翼人種の家庭にね。
今のように設備や備品の
整った生産方法が開発されてませんでした。
最低限の防護服を着て
バンジージャンプをして
羽にルビーやサファイアを
くっつけて採取する方法しか
無かったのですよ」
「そうですか」
スライム人の言葉に私は
言葉を続ける。
「雲の中に大勢の有翼人種が
バンジージャンプで
飛び込んで、雷に打たれたり
ロープを飛んでいる大きなルビーやサファイアに
切られたりして命を落としました。
翼も防護はしていても
飛んでいるルビーやサファイアを
くっつけるのでボロボロに
なりましてね。
それでも飛ばなくては行けなくて。
彼らはルビーバンジャーと
呼ばれていましたよ」
私は一口ワインを飲んで続ける。
「翼にくっつくルビーはそうですね。
私のような有翼人種の指を飾る
位の大きさが主でしてね。
安く買いたたかられるのですよ。
雲に潜れば潜るほど
大きなルビーやサファイアを
採取できるのは分かっているのですが、
命と引き換えになりますからね」
「それは本当に命がけですね」
スライム人が相槌を打つ。
「私も15歳になった時に
ルビーバンジャーになりましたよ。
父親がもう、飛ぶことが
できなくなりましたから、
一家の大黒柱に私がなりました。
ある時、妹が病気になりましてね。
どうしても治療費が必要になりました。
そこでほんの少しロープを長く伸ばして
賭ける事にしたのです。
そして私は飛びました。
その雲の中のいつもは行かない奥は
小岩のようなルビーやサファイアが
飛んでおりましてね。
私は必死になって赤く光るルビーを
引き寄せて体全体を翼でくるんで
ルビーを抱き込みました。
そして無事生還したのですよ」
私は言い終えると少しぼんやりとした。
「大変な思いをされたのですね」
スライム人がそうつぶやく。
「そうですね。でも、そのおかげで
私はこの星から出る事ができました」
私は窓の外を眺めた。
大きな金色の惑星が輝いて見える。
『宝玉の翼』惑星、それは大勢の
有翼人種の血で輝いているのかも
知れない。
了
お読みいただきありがとうございました。
善き一日をお過ごしください。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
「皆様、本日は『宝玉の翼』惑星観光ツアーに
ご参加いただきありがとうございます。
右手に見えます金色の惑星が
『宝玉の翼』惑星です。
同惑星は雲の中に、ルビーやサファイアを
構成するコランダムを含んでおり、
不純物と混ざるとルビーやサファイアを
形成いたします。
しかし、昼側の面は摂氏2500度になりますので
蒸発してしまう為近づくことはできません。
ですので、これから惑星の夜の面にある
ステーショナリーに着眼いたしまして、
そこから惑星降下船に乗り換えて
同惑星の雲の中でバンジージャンプをして
ルビーやサファイアを収集します。
その場合の注意事項は・・・・」
ツアーガイドの説明に私は少し眠くなってきた。
それは動画で何回も見ていて
飽きるほど聞いているからだ。
「あのう、有翼人種の方ですよね。
この星は有翼人種の方々にとっては
苦難の歴史であると聞いていますが」
左隣のスライム人が尋ねてくる。
「ええ、確かにこの星は我々
有翼人種にとって大変な星でしてね。
だからこそ【もう一度】見ておこうと
おもったのですよ」
「【もう一度】と言われますと?
あ、いや。聞きすぎですよね」
「いや、構いませんよ。
私はあの星のコロニーで
産まれたのです。
貧しい有翼人種の家庭にね。
今のように設備や備品の
整った生産方法が開発されてませんでした。
最低限の防護服を着て
バンジージャンプをして
羽にルビーやサファイアを
くっつけて採取する方法しか
無かったのですよ」
「そうですか」
スライム人の言葉に私は
言葉を続ける。
「雲の中に大勢の有翼人種が
バンジージャンプで
飛び込んで、雷に打たれたり
ロープを飛んでいる大きなルビーやサファイアに
切られたりして命を落としました。
翼も防護はしていても
飛んでいるルビーやサファイアを
くっつけるのでボロボロに
なりましてね。
それでも飛ばなくては行けなくて。
彼らはルビーバンジャーと
呼ばれていましたよ」
私は一口ワインを飲んで続ける。
「翼にくっつくルビーはそうですね。
私のような有翼人種の指を飾る
位の大きさが主でしてね。
安く買いたたかられるのですよ。
雲に潜れば潜るほど
大きなルビーやサファイアを
採取できるのは分かっているのですが、
命と引き換えになりますからね」
「それは本当に命がけですね」
スライム人が相槌を打つ。
「私も15歳になった時に
ルビーバンジャーになりましたよ。
父親がもう、飛ぶことが
できなくなりましたから、
一家の大黒柱に私がなりました。
ある時、妹が病気になりましてね。
どうしても治療費が必要になりました。
そこでほんの少しロープを長く伸ばして
賭ける事にしたのです。
そして私は飛びました。
その雲の中のいつもは行かない奥は
小岩のようなルビーやサファイアが
飛んでおりましてね。
私は必死になって赤く光るルビーを
引き寄せて体全体を翼でくるんで
ルビーを抱き込みました。
そして無事生還したのですよ」
私は言い終えると少しぼんやりとした。
「大変な思いをされたのですね」
スライム人がそうつぶやく。
「そうですね。でも、そのおかげで
私はこの星から出る事ができました」
私は窓の外を眺めた。
大きな金色の惑星が輝いて見える。
『宝玉の翼』惑星、それは大勢の
有翼人種の血で輝いているのかも
知れない。
了
お読みいただきありがとうございました。
善き一日をお過ごしください。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
201219-7遥か銀河に手を伸ばし【宇宙船はティーカップ】22-2🐾キリ番57000ありがとうございます。
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「あのティーカップ型の宇宙船、故障原因わかるか」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「AI自動操縦によると、船体に亀裂が入っているな」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「ティーカップ型宇宙船、篠楽焼ですねぇ」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
201219-7遥か銀河に手を伸ばし【宇宙船はティーカップ】22-2
いやぁ、助かりました。
業者に無理を言って篠楽焼きのティーカップを
宇宙船用に強化コーティングしてもらったのですが
やはりヒビが入りましてねぇ。
ああ、でも内側に宇宙船用素材型枠を
張り付けてあるので航行自体は
問題ないんですがね。ははは」
篠楽焼きのティーカップ宇宙船の
持ち主はよくしゃべる獣人だった。
それも犬の獣人でどうみてもトイプードル。
(トイプードルだな)
俺は目線と瞬きでオーディスに
話しかける。
(オスじゃん。つまんねー。
それにしてもよくしゃべる獣人だな。
尻尾ぶんぶん振って喜んでるな)
(ああ、なんかもふりたいな)
(ジェルドちゃん、それだめ。
相手は獣人、しかもオス。
地球のわんこじゃないの)
(『男性』だろ。分かっているよ)
「というわけでして、助けていただいて
感謝する次第です」
「いえ、お気になさらず。
我ら宇宙検察官、遭難救助も
任務の一つですので」
オレ、ジェルドが真顔で答えると
「宇宙検察官と申されましたが
もしや地球保護観察官を
されていらっしゃいませんでしたか。
いや、なぜかと申しますと
普通、我々獣人、特に犬の種族を見ると
目を輝かせて『もふもふ〜♪』と言ったり
喜ぶ方が多いのですが、
地球でビジネスをされている方は
耐性があるのか、そういう行動を
とらないんですよ」
オレとオーディスは顔を見合わせ
「そうですか。確かに我々は
元地球保護観察官で本部へ
帰還中の身です」
俺がそう答えると
するとトイプードルの獣人は
更に目を輝かせて
「それはそれは。
私たちの種族は地球の今の文明の
その前の文明で派生した
人類なのですよ
今の文明はいかがでしたか」
オレはにっこり笑って
「大分文明が発達していますが
宇宙に出るのに苦戦しているようですね」
「そうですか。
では、我々と出会うのは
まだまだになりそうですね」
トイプードルの獣人は
しっぽをだらりと下げて
残念そうに言った。
「ああ、でもガッツのある
連中がロケット開発を
頑張っていて、
火星に行こうとしていたり、
小さな会社がロケットを
飛ばしたりしてますから
もう少ししたら宇宙に飛び出すかも
しれませんよ」
オーディスが慰めるようにそう言うと
トイプードルの獣人は
嬉しそうに
「それはすごいですね。
我々は彼らにとって
オーバーテクノロジーを
渡すわけにはいきませんからね。
いや、同じ地球出身者としては
気になるものなんですよ。
私の星でも、地球の動画は
人気が高くてね。
特に人間と犬とのふれあい動画は
再生回数が上がって盛り上がりますね」
そりゃそうだろうなと
オレとオーディスは黙って相槌を打つ。
そして俺たちは、自前で撮った
地球の犬に関するデータを
彼にプレゼントした。
トイプードルの獣人は
何度もお礼を言って
ティーカップの宇宙船に戻っていった。
「やれやれ、人懐っこい獣人だったな。
なんか地球でたくさんの犬にじゃれられたのを
思い出したよ」
オーディスが大きく伸びをして言う。
「いいじゃないか。友好的で。
今の地球文明が宇宙へ飛び出した時
真っ先に駆け寄るのは彼らかな」
オレがそう言うと、
その光景を二人で連想して
爆笑したのだった。
宇宙船は滑るように進んでいく。
何事もなかったかのように。
了
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「あのティーカップ型の宇宙船、故障原因わかるか」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「AI自動操縦によると、船体に亀裂が入っているな」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「ティーカップ型宇宙船、篠楽焼ですねぇ」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
201219-7遥か銀河に手を伸ばし【宇宙船はティーカップ】22-2
いやぁ、助かりました。
業者に無理を言って篠楽焼きのティーカップを
宇宙船用に強化コーティングしてもらったのですが
やはりヒビが入りましてねぇ。
ああ、でも内側に宇宙船用素材型枠を
張り付けてあるので航行自体は
問題ないんですがね。ははは」
篠楽焼きのティーカップ宇宙船の
持ち主はよくしゃべる獣人だった。
それも犬の獣人でどうみてもトイプードル。
(トイプードルだな)
俺は目線と瞬きでオーディスに
話しかける。
(オスじゃん。つまんねー。
それにしてもよくしゃべる獣人だな。
尻尾ぶんぶん振って喜んでるな)
(ああ、なんかもふりたいな)
(ジェルドちゃん、それだめ。
相手は獣人、しかもオス。
地球のわんこじゃないの)
(『男性』だろ。分かっているよ)
「というわけでして、助けていただいて
感謝する次第です」
「いえ、お気になさらず。
我ら宇宙検察官、遭難救助も
任務の一つですので」
オレ、ジェルドが真顔で答えると
「宇宙検察官と申されましたが
もしや地球保護観察官を
されていらっしゃいませんでしたか。
いや、なぜかと申しますと
普通、我々獣人、特に犬の種族を見ると
目を輝かせて『もふもふ〜♪』と言ったり
喜ぶ方が多いのですが、
地球でビジネスをされている方は
耐性があるのか、そういう行動を
とらないんですよ」
オレとオーディスは顔を見合わせ
「そうですか。確かに我々は
元地球保護観察官で本部へ
帰還中の身です」
俺がそう答えると
するとトイプードルの獣人は
更に目を輝かせて
「それはそれは。
私たちの種族は地球の今の文明の
その前の文明で派生した
人類なのですよ
今の文明はいかがでしたか」
オレはにっこり笑って
「大分文明が発達していますが
宇宙に出るのに苦戦しているようですね」
「そうですか。
では、我々と出会うのは
まだまだになりそうですね」
トイプードルの獣人は
しっぽをだらりと下げて
残念そうに言った。
「ああ、でもガッツのある
連中がロケット開発を
頑張っていて、
火星に行こうとしていたり、
小さな会社がロケットを
飛ばしたりしてますから
もう少ししたら宇宙に飛び出すかも
しれませんよ」
オーディスが慰めるようにそう言うと
トイプードルの獣人は
嬉しそうに
「それはすごいですね。
我々は彼らにとって
オーバーテクノロジーを
渡すわけにはいきませんからね。
いや、同じ地球出身者としては
気になるものなんですよ。
私の星でも、地球の動画は
人気が高くてね。
特に人間と犬とのふれあい動画は
再生回数が上がって盛り上がりますね」
そりゃそうだろうなと
オレとオーディスは黙って相槌を打つ。
そして俺たちは、自前で撮った
地球の犬に関するデータを
彼にプレゼントした。
トイプードルの獣人は
何度もお礼を言って
ティーカップの宇宙船に戻っていった。
「やれやれ、人懐っこい獣人だったな。
なんか地球でたくさんの犬にじゃれられたのを
思い出したよ」
オーディスが大きく伸びをして言う。
「いいじゃないか。友好的で。
今の地球文明が宇宙へ飛び出した時
真っ先に駆け寄るのは彼らかな」
オレがそう言うと、
その光景を二人で連想して
爆笑したのだった。
宇宙船は滑るように進んでいく。
何事もなかったかのように。
了
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
201216-6遥か銀河に手を伸ばし【宇宙船はティーカップ】22-1🐾キリ番57000ありがとうございます。
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「オーディス、ネットショッピングか?」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「うん、宇宙船買いたいなぁって」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「オーディス様の本体は大きすぎるから・・・」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
201216-6遥か銀河に手を伸ばし【宇宙船はティーカップ】22
「宇宙船、手ごろなのありそうか?」
オレはオーディスに尋ねた。
「うーん。あるっちゃあるんだが、
俺の種族って宇宙基準より
大きいんだよね。
そのせいで少数派だし
割高になるんだよね」
「宇宙船と言ってもピンからキリまで
あるだろう。
星系一つ分から銀河範囲、
銀河と銀河を航行するのまで
いろいろあるじゃないか」
「もう本星の星系は思春期の時に
走り回っていたからなぁ。
よくお巡りさんにお世話になったなぁ。
あの時のお巡りさん元気かな」
「お巡りさんって・・・。随分可愛い表現するな」
「それが俺も若かったから色々やらかして、
その中で一人じぃちゃんのお巡りさんがいて
なんか悪さしててもその人の前に行くと
良心が痛むというか心配かけちゃいけないな
とかよく思っていたもんな」
「そうか。いい人に出会っていたんだな。
しかしよく考えたら、お前の本体って
宇宙空間、生身で移動できるだろう。
四次元倉庫をポーチにいれとけば
良いだけの話では?
何故、宇宙船がいるんだ?」
「ああ、俺って宇宙船好きなの。
何ていうかメカ基地っていうのかな。
AI自動操縦オペレーションが
あっても色々オプション付けて
改造するのがいいんだよね」
「それは高くつくな。
ま、がんばって貯金するしかないだろう。
それより、AI自動操縦オペレーションが
緊急遭難信号を受信したみたいだぞ」
「あ、本当だ。ディスプレイに
映像も出てる・・・ジェルドちゃんあれ、
ティーカップだよな」
「本当だ。うちの宇宙船と同じ大きさ位かな。
ティーカップの形をしている。
お洒落だなというか金持ちだな」
「あれ、ジェルドちゃん知らないの?
今は標準タイプの宇宙人用宇宙船は
好きな形でオーダーメイドできる
タイプが割安で作れるんだぜ。
ただ飛行距離がまだ短いから
2泊3日程度が限界らしいがな」
「そうか。それはともかく助けに行くか」
「そうしようぜ、ジェルドちゃん」
俺たちは地球人アバター専用の
宇宙服を着こんで船外に出たのだった。
続く
🐾キリ番57000ありがとうございます。
m(__)m
長くなってしまいましたので
次回もお読みいただければ幸いです。
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「オーディス、ネットショッピングか?」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「うん、宇宙船買いたいなぁって」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「オーディス様の本体は大きすぎるから・・・」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
201216-6遥か銀河に手を伸ばし【宇宙船はティーカップ】22
「宇宙船、手ごろなのありそうか?」
オレはオーディスに尋ねた。
「うーん。あるっちゃあるんだが、
俺の種族って宇宙基準より
大きいんだよね。
そのせいで少数派だし
割高になるんだよね」
「宇宙船と言ってもピンからキリまで
あるだろう。
星系一つ分から銀河範囲、
銀河と銀河を航行するのまで
いろいろあるじゃないか」
「もう本星の星系は思春期の時に
走り回っていたからなぁ。
よくお巡りさんにお世話になったなぁ。
あの時のお巡りさん元気かな」
「お巡りさんって・・・。随分可愛い表現するな」
「それが俺も若かったから色々やらかして、
その中で一人じぃちゃんのお巡りさんがいて
なんか悪さしててもその人の前に行くと
良心が痛むというか心配かけちゃいけないな
とかよく思っていたもんな」
「そうか。いい人に出会っていたんだな。
しかしよく考えたら、お前の本体って
宇宙空間、生身で移動できるだろう。
四次元倉庫をポーチにいれとけば
良いだけの話では?
何故、宇宙船がいるんだ?」
「ああ、俺って宇宙船好きなの。
何ていうかメカ基地っていうのかな。
AI自動操縦オペレーションが
あっても色々オプション付けて
改造するのがいいんだよね」
「それは高くつくな。
ま、がんばって貯金するしかないだろう。
それより、AI自動操縦オペレーションが
緊急遭難信号を受信したみたいだぞ」
「あ、本当だ。ディスプレイに
映像も出てる・・・ジェルドちゃんあれ、
ティーカップだよな」
「本当だ。うちの宇宙船と同じ大きさ位かな。
ティーカップの形をしている。
お洒落だなというか金持ちだな」
「あれ、ジェルドちゃん知らないの?
今は標準タイプの宇宙人用宇宙船は
好きな形でオーダーメイドできる
タイプが割安で作れるんだぜ。
ただ飛行距離がまだ短いから
2泊3日程度が限界らしいがな」
「そうか。それはともかく助けに行くか」
「そうしようぜ、ジェルドちゃん」
俺たちは地球人アバター専用の
宇宙服を着こんで船外に出たのだった。
続く
🐾キリ番57000ありがとうございます。
m(__)m
長くなってしまいましたので
次回もお読みいただければ幸いです。
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m