210130-10遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種6】29‐5
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「オーディス、彼らを怒らすなよ
花粉自体がある意味凶器だからな」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「それは言えてる。宇宙服着るか?」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「困ったわ。花粉と香りの使者様に
何をお出しすればいいのかしら」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「仙人掌人の言語は地球の英語を
基盤としています。翻訳可能です。
乗船許可を」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210130-10遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種6】29‐5
『仙人掌人の男性は、地球のサボテンと同じく
地面に植わっている。
その為動く事ができない。
だが、彼らは花を常に咲かせて
その香りと花粉を組み合わせて
会話をしている。
時にはそれは威嚇や臭撃として
使われることもある。
そこで彼らは花粉と香りを
惑星表面に敷き詰めて
外からの交流を拒んでいる。
仙人掌人の女性の姿形は
地球人の女性形をしている。
そして、直接的な攻撃をするのは
動ける仙人掌人の女性の役割である』
宇宙連邦と国交の無い仙人掌人の住む
惑星に関する情報はこの程度だ。
「お連れしました」
AI自動操縦機の声がミーティングルームに響く。
そして自動扉が開くと
浮遊したバスケットボール位のカプセルが二つ、
入って来た。
それは、カプセルはピンクと緑色が一つずつ。
ただのボールでは親しみを持てないので
それぞれ丸い目が二つ、にっこり笑った
口の形の線が描かれ、
左右の上の方に収納型の丸い耳が
ぱたぱたと動いてカプセルの
温度調整と動力機能を備えている。
カプセルはAI自動操縦機に運ばれて
ミーティングルームの
机の上に置かれる。
すると、ピンクのカプセルに入った
仙人掌人が、カプセルの目を光らせて
こう言った。
「私の息子を返していただきたい」
その合成音には明らかな怒気が含まれていた。
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「オーディス、彼らを怒らすなよ
花粉自体がある意味凶器だからな」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「それは言えてる。宇宙服着るか?」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「困ったわ。花粉と香りの使者様に
何をお出しすればいいのかしら」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「仙人掌人の言語は地球の英語を
基盤としています。翻訳可能です。
乗船許可を」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210130-10遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種6】29‐5
『仙人掌人の男性は、地球のサボテンと同じく
地面に植わっている。
その為動く事ができない。
だが、彼らは花を常に咲かせて
その香りと花粉を組み合わせて
会話をしている。
時にはそれは威嚇や臭撃として
使われることもある。
そこで彼らは花粉と香りを
惑星表面に敷き詰めて
外からの交流を拒んでいる。
仙人掌人の女性の姿形は
地球人の女性形をしている。
そして、直接的な攻撃をするのは
動ける仙人掌人の女性の役割である』
宇宙連邦と国交の無い仙人掌人の住む
惑星に関する情報はこの程度だ。
「お連れしました」
AI自動操縦機の声がミーティングルームに響く。
そして自動扉が開くと
浮遊したバスケットボール位のカプセルが二つ、
入って来た。
それは、カプセルはピンクと緑色が一つずつ。
ただのボールでは親しみを持てないので
それぞれ丸い目が二つ、にっこり笑った
口の形の線が描かれ、
左右の上の方に収納型の丸い耳が
ぱたぱたと動いてカプセルの
温度調整と動力機能を備えている。
カプセルはAI自動操縦機に運ばれて
ミーティングルームの
机の上に置かれる。
すると、ピンクのカプセルに入った
仙人掌人が、カプセルの目を光らせて
こう言った。
「私の息子を返していただきたい」
その合成音には明らかな怒気が含まれていた。
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
髪の毛
初めまして いかがお過ごしですか
匿名希望で こちらのブログに短いストーリーを寄稿させていただくことになりました
突然ではございますが、宇宙生物ぷりちーぴの読者の皆様、宜しくお願いできましたら幸いです
今日は髪の毛がなくなりつつあったのに生えてきた人のお話です。
.......................................................................
『驚きの頭皮』
年齢を重ねたその人の頭は、上の方からなくなりつつあり、下の4分の1のみ残っていた
・・・しかし、いつ頃から変化が訪れた
前髪が少しずつはえだし、
髪の毛のなかった頭頂部から後頭部にかけて、同じ現象が起き始めている
日が当たるところで観察すると、白い産毛が頭全体を覆っているのが見受けられる
驚いたことに、がんばって残っていた1/4の髪の毛が黒くなってきている
・・・こうなったのには思いあたる節がある
それはまた次回お話しましょう
210127-9遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種5】29‐4
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「未成年略取扱いか」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「悪い事は言わね、一度母星へ帰れ」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「とりあえずお茶菓子をお持ちしました」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「仙人掌人より使者が
入船を希望しております」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210127-9遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種5】29‐4
「AI自動操縦機、その使者は入船させても
問題ないか」
オレが尋ねると
「彼らは、現在乗船している仙人掌人の少年少女の
父親たちで、本体ではなく
花粉と香りで構成された物質状になっています」
AI自動操縦機が応える。
「それだといざという時、花粉を船内で粉じん爆発
されたりする危険があるな。
花粉と香りで構成されているという事は
実体が来ている訳ではないということだろう」
オレがそつぶやくと
「ジェルドちゃん、カプセルに入ってもらおうぜ。
その妥協でどうだ」
オーディスが提案する。
「いいだろう、AI自動操縦機。その条件で
入船を許可する旨伝えろ」
オレはAI自動操縦機にそう命令する。
するとオーディスが、仙人掌人の少年少女に
「それで君たちに疑問があるんだけどぉ。
君たちって、男性が仙人掌体で女性が人間体だろ?
どう考えても母親が使者に立つと思うんだが
花粉と香りとは言え何故父親が来るんだ?」
と、オーディスは疑問を提起する。
すると仙人掌人の少年少女が顔を見合わせて
少女が口を開いた。
「確かにあたし達は母系社会だ。
だが、子供達の問題は産みの親の父親と
母親を同じくする父親達が共同で
解決する。
だから、あたし達の父達が使者として
やってきたんだ」
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「未成年略取扱いか」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「悪い事は言わね、一度母星へ帰れ」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「とりあえずお茶菓子をお持ちしました」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「仙人掌人より使者が
入船を希望しております」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210127-9遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種5】29‐4
「AI自動操縦機、その使者は入船させても
問題ないか」
オレが尋ねると
「彼らは、現在乗船している仙人掌人の少年少女の
父親たちで、本体ではなく
花粉と香りで構成された物質状になっています」
AI自動操縦機が応える。
「それだといざという時、花粉を船内で粉じん爆発
されたりする危険があるな。
花粉と香りで構成されているという事は
実体が来ている訳ではないということだろう」
オレがそつぶやくと
「ジェルドちゃん、カプセルに入ってもらおうぜ。
その妥協でどうだ」
オーディスが提案する。
「いいだろう、AI自動操縦機。その条件で
入船を許可する旨伝えろ」
オレはAI自動操縦機にそう命令する。
するとオーディスが、仙人掌人の少年少女に
「それで君たちに疑問があるんだけどぉ。
君たちって、男性が仙人掌体で女性が人間体だろ?
どう考えても母親が使者に立つと思うんだが
花粉と香りとは言え何故父親が来るんだ?」
と、オーディスは疑問を提起する。
すると仙人掌人の少年少女が顔を見合わせて
少女が口を開いた。
「確かにあたし達は母系社会だ。
だが、子供達の問題は産みの親の父親と
母親を同じくする父親達が共同で
解決する。
だから、あたし達の父達が使者として
やってきたんだ」
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
210124-8遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種4】29‐3
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「君たち、まだ成人していないだろう?」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「ジェルド、人種によって成長が違うぞ
お嬢ちゃんどうなんだ」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「皆様、飲物は何か飲まれますか」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「仙人掌人の成人は18歳です」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210124-8遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種4】29‐3
俺たちはとりあえずミーティングルームの
円卓の椅子に座った。
仙人掌人の少年は少女の側の
机の上に置かれた。
花子さんが全員にジャスミンティーを
振る舞う。
仙人掌人の少年は植木鉢に
植わっている。
少女は鉢の土にジャスミンティーを
注ぐ。
「へぇ、ジャスミンティー飲めるんだ」
オーディスが興味深々に彼らに尋ねる。
「ああ、土に見えるかも知れないけれど
この土のような物も体の一部なんだ。
だから固形物も食べれるんだ。
でも、大地から栄養をとるのが
一番だけどね」
仙人掌人の少女がそう言うと
少年が枝と葉を震わせた。
それは少女に同意するような仕草だった。
「まぁ、それは置いといて君らは本当は
何歳だ。
未成年を連れまわす事はできないぞ」
オレがそう言うと
「あ、あたしたちは15歳だ。
でも、あたしは成長が早いから
成人の扱いを受けていたんだ」
仙人掌人の少女が叫ぶ。
「ジェルド様、オーディス様、
仙人掌人の惑星から
通信が入ってきています」
AI自動操縦機がミーティングルームに
告げてくる。
「翻訳してくれ」
オレがそう言うと
「了解しました。その仙人掌人の
少年少女を返して欲しいとの
事です。
でなければ仙人掌人全員による
攻撃をこの船に加えると」
「ジェルドちゃん、どうする?」
オレは頭を抱えるのだった。
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「君たち、まだ成人していないだろう?」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「ジェルド、人種によって成長が違うぞ
お嬢ちゃんどうなんだ」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「皆様、飲物は何か飲まれますか」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「仙人掌人の成人は18歳です」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210124-8遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種4】29‐3
俺たちはとりあえずミーティングルームの
円卓の椅子に座った。
仙人掌人の少年は少女の側の
机の上に置かれた。
花子さんが全員にジャスミンティーを
振る舞う。
仙人掌人の少年は植木鉢に
植わっている。
少女は鉢の土にジャスミンティーを
注ぐ。
「へぇ、ジャスミンティー飲めるんだ」
オーディスが興味深々に彼らに尋ねる。
「ああ、土に見えるかも知れないけれど
この土のような物も体の一部なんだ。
だから固形物も食べれるんだ。
でも、大地から栄養をとるのが
一番だけどね」
仙人掌人の少女がそう言うと
少年が枝と葉を震わせた。
それは少女に同意するような仕草だった。
「まぁ、それは置いといて君らは本当は
何歳だ。
未成年を連れまわす事はできないぞ」
オレがそう言うと
「あ、あたしたちは15歳だ。
でも、あたしは成長が早いから
成人の扱いを受けていたんだ」
仙人掌人の少女が叫ぶ。
「ジェルド様、オーディス様、
仙人掌人の惑星から
通信が入ってきています」
AI自動操縦機がミーティングルームに
告げてくる。
「翻訳してくれ」
オレがそう言うと
「了解しました。その仙人掌人の
少年少女を返して欲しいとの
事です。
でなければ仙人掌人全員による
攻撃をこの船に加えると」
「ジェルドちゃん、どうする?」
オレは頭を抱えるのだった。
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
210121-7遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種3】29‐2
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「何故乗船を許可した。
仙人掌人でも子供じゃないか」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「保護だよ保護。
あんなボロ船で宙海できるわけがない」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「遭難されたら」後味が悪いです。
後片付けも大変です」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「彼らは危険物及び防疫上
問題ありません」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210121-7遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種3】29‐2
「ちょっとぉ、あたし達を子ども扱いするのは
止めてくれない?」
俺とオーディスがやり取りしていると
当の仙人掌人が口を挟んできた。
文句を言った方は見かけは
地球人の女性そっくりだ。
だが、かなり筋肉質な体型の
黄色人種のようななりだった。
ただ、背は160㎝位で
成長期まっただ中なのは否めない。
そんな彼女は斜めに鞄をかけていて、
そこからびょこんと地球でいう
月下美人の枝や葉が出てきて
葉をふる。
小さな綺麗な白い花が
一つついている。
その花から少し強めの香りが
ふわりと鼻腔をくすぐる。
「うわぁ、いい香りだな」
オーディスがうっとりとした
顔をする。
「で、その彼は何て言っているんだ」
オレが仙人掌人の少女に尋ねると
「ああ、彼はあたしの婚約者なんだけど
宇宙警察官になりたくてこの船に
やってきたって言っているんだ」
するとオーディスがやれやれという
仕草をして
「仙人掌人のお嬢ちゃんにお坊ちゃん。
夢を持つことはいい事だが
できる事とできない事がある。
お嬢ちゃんは警察官に向いているけれど
お坊ちゃんはどうかな?
自分で動くこともできないし
会話が香りや花粉というのは
かなり特殊だ。
もちろん、体の構造上宇宙標準語を
話すことのできない
人種はごまんといるぜ?
だけど、その為に特殊装置を開発して
コミュニケーションをとることはできる」
「オーディスの言う通りだ。
費用対効果という言葉を知っているか?
君の婚約者に特殊装置を開発されるかを
宇宙警察が認めるかかなり微妙だ。
君たちの熱意は分かるが、
仙人掌人はその生態がよく知られていない。
君たちは種族一つであの惑星に住んでいるからな。
それに、宇宙をまたにかけた犯罪にも
巻き込まれたことがない。
しかも宇宙連邦に所属していない」
「それでも彼は宇宙警察官になりたいんだ」
仙人掌人の少女がそう叫ぶ。
月下美人の少年からもきつい香りが
オレとオーディスを襲う。
「おい、その威嚇臭を止めろ。
いくらいい香りでもキツすぎる」
オーディスが彼らにそう言う。
オレはやれやれとため息をついた。
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「何故乗船を許可した。
仙人掌人でも子供じゃないか」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「保護だよ保護。
あんなボロ船で宙海できるわけがない」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「遭難されたら」後味が悪いです。
後片付けも大変です」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「彼らは危険物及び防疫上
問題ありません」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210121-7遥か銀河に手を伸ばし【仙人掌(サボテン)人種3】29‐2
「ちょっとぉ、あたし達を子ども扱いするのは
止めてくれない?」
俺とオーディスがやり取りしていると
当の仙人掌人が口を挟んできた。
文句を言った方は見かけは
地球人の女性そっくりだ。
だが、かなり筋肉質な体型の
黄色人種のようななりだった。
ただ、背は160㎝位で
成長期まっただ中なのは否めない。
そんな彼女は斜めに鞄をかけていて、
そこからびょこんと地球でいう
月下美人の枝や葉が出てきて
葉をふる。
小さな綺麗な白い花が
一つついている。
その花から少し強めの香りが
ふわりと鼻腔をくすぐる。
「うわぁ、いい香りだな」
オーディスがうっとりとした
顔をする。
「で、その彼は何て言っているんだ」
オレが仙人掌人の少女に尋ねると
「ああ、彼はあたしの婚約者なんだけど
宇宙警察官になりたくてこの船に
やってきたって言っているんだ」
するとオーディスがやれやれという
仕草をして
「仙人掌人のお嬢ちゃんにお坊ちゃん。
夢を持つことはいい事だが
できる事とできない事がある。
お嬢ちゃんは警察官に向いているけれど
お坊ちゃんはどうかな?
自分で動くこともできないし
会話が香りや花粉というのは
かなり特殊だ。
もちろん、体の構造上宇宙標準語を
話すことのできない
人種はごまんといるぜ?
だけど、その為に特殊装置を開発して
コミュニケーションをとることはできる」
「オーディスの言う通りだ。
費用対効果という言葉を知っているか?
君の婚約者に特殊装置を開発されるかを
宇宙警察が認めるかかなり微妙だ。
君たちの熱意は分かるが、
仙人掌人はその生態がよく知られていない。
君たちは種族一つであの惑星に住んでいるからな。
それに、宇宙をまたにかけた犯罪にも
巻き込まれたことがない。
しかも宇宙連邦に所属していない」
「それでも彼は宇宙警察官になりたいんだ」
仙人掌人の少女がそう叫ぶ。
月下美人の少年からもきつい香りが
オレとオーディスを襲う。
「おい、その威嚇臭を止めろ。
いくらいい香りでもキツすぎる」
オーディスが彼らにそう言う。
オレはやれやれとため息をついた。
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m