210228-9遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-3
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「オーディス、匂い消しの飴舐め終わったか」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「ジェルドちゃん、舐め終わった。
さ、気を取り直して新たな出会いを求めにいざ行かん」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「お2人がいなくても~♪
埃はでるのです~♪」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「隣の宇宙船のAI自動操縦機、
洗船してもらっているからって
歌声がうるさいです」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
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210228-9遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-3
「うおー宇宙港から出たら
さみぃ」
オーディスが脳波で話しかけてくる。
ここは氷惑星。本来人の住めぬ土地。
俺達が着込んでいる地球人アバターだけでは
一秒たりとも生存できない。
体に特殊膜を塗ってはいるが、念のため
寒さ対策のフェイスシールドを付けた
防寒用具を着こんでいる。
会話は防寒用具の頭部につけた
脳波で会話する。
オレ達二人は宇宙検察官専用脳波で
会話している。
「寒いのは当たり前だろ。慣れろ」
「ジェルドちゃん相変わらず冷たいね」
「お前限定だ。それ以外には
愛想笑いでも微笑でもお世辞でも
できるぞ」
「身近にいる人間ほど大事にすべきじゃないのぉ」
「すいません、当ホテルご利用の
ジェルド様とオーディス様ですか」
俺達二人は突然入って来た脳波に
その脳波を発した人物へと顔を向けた。
すると、そこには地球のアジア系の顔をして
法被を着た男が俺達二人の名前を書いた
紙を持って立っていた。
「あれぇ、もしかして宿泊ホテルの
ガイドロボットさん?」
オーディスが一般回線脳波で
彼に話しかける。
「はい、そうです。本日は当ホテルを
ご利用いただきありがとうございます。
私は送り迎え担当のAIロボットです。
よろしくお願い申し上げます。」
オレは脳波に愛想笑いの感情を載せて
「ああ、俺はジェルド。こちらがオーディス。
地球人アバターの顔写真はそちらのホテルに
届いていると思うが、改めて君に送信しておく。
これでいいかな」
するとホテルのAIロボットは揉み手をして
「ハイハイ、お2人とも写真写りが宜しいですけれど
実物の方がもっと男前ですね。
それで当ホテルは地球の日本旅館を模しています。
今日はもう遅いので当ホテルでお食事になさいますか。
当ホテルではかけ流し源泉温泉がございますが、
他所でお食事をされるようでしたら
お勧めがございますよ」
『ホテルで食事と温泉で頼む』
オレとオーディスは脳波を揃えて
ホテルが差し向けた自動運転車に
乗り込むのだった。
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m