210428-8遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-20
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「中居さん、空気が冷たい。部屋へ戻りましょう」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「うぉぉぉぉ大衆演劇サイコー!」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「桜茶はとっておきのお茶なのです。
二人には内緒です」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「隣の宇宙船のAI自動操縦機、
なんか泣き上戸だったのか・・・」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210428-8遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-20
「ええ、すいません。お客様をこんな寒い場所に
留め置いて」
中居さんは髪の毛を結い上げている。
オレは中居の白い首筋とほつれた短い髪が
ぼぉっと暗闇の中で浮かんでいるのを
そっとみつめた。
「月面旅行はどうでしょうか」
オレはボソリと言ってみた。
すると中居は
「いえ、私の故郷はここですから。
あ、でもお取り寄せなんかはいいかも
しれませんね。
日本に長くいらしたのなら、
何か良い物をご存じありませんか」
そう言ってオレに笑顔を向ける中居は
既に接客業の従事者のそれだった。
「そうですね。日本は海の幸も山の幸も
熱帯から寒冷まで様々な食に満ち溢れて
ますからね。
やはり定番のお寿司ですかね」
「あら、お寿司なら地球から取り寄せた
食材で、こちらでも食べる事ができますのよ」
中居はそう言ってくすくす笑った。
「そうですか。それならやはり駅弁がいいかもしれない。
ご当地の牛肉弁当やちらし寿司、海鮮丼やら
そりゃあご当地自慢が山ほどありますからね。
そうだ、今度贈りましょう。
ここの旅館の中居さん達全員に」
すると中居はびっくりした顔をして
「それはみんな喜びますけれど・・・
宜しいのですか」
「元地球保護観察官なんてお金の使い道がなくてね。
それよりも、舌の肥えた旅館の従業員さんから
確かな料理の味を教えてもらった方が
楽しいんじゃないですかね。
カタログをフロントに転送しておきますから
みんなで選んでください。
あ、負担にならないように金額の上限は
設定しておきますから」
「それなら・・・ただ、女将には話を通しておきますので
しばしお待ちくださいね」
「いいですよ。明日の朝にでもフロントに
言付けていただければ。
さ、そろそろ参りましょう。
風邪をひいてしまいますよ」
「あら、私は元気だけなのが取り柄なのですよ」
こうしてオレ達は夜桜を後にして
旅館に戻るのだった。
了
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「中居さん、空気が冷たい。部屋へ戻りましょう」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「うぉぉぉぉ大衆演劇サイコー!」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「桜茶はとっておきのお茶なのです。
二人には内緒です」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「隣の宇宙船のAI自動操縦機、
なんか泣き上戸だったのか・・・」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
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210428-8遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-20
「ええ、すいません。お客様をこんな寒い場所に
留め置いて」
中居さんは髪の毛を結い上げている。
オレは中居の白い首筋とほつれた短い髪が
ぼぉっと暗闇の中で浮かんでいるのを
そっとみつめた。
「月面旅行はどうでしょうか」
オレはボソリと言ってみた。
すると中居は
「いえ、私の故郷はここですから。
あ、でもお取り寄せなんかはいいかも
しれませんね。
日本に長くいらしたのなら、
何か良い物をご存じありませんか」
そう言ってオレに笑顔を向ける中居は
既に接客業の従事者のそれだった。
「そうですね。日本は海の幸も山の幸も
熱帯から寒冷まで様々な食に満ち溢れて
ますからね。
やはり定番のお寿司ですかね」
「あら、お寿司なら地球から取り寄せた
食材で、こちらでも食べる事ができますのよ」
中居はそう言ってくすくす笑った。
「そうですか。それならやはり駅弁がいいかもしれない。
ご当地の牛肉弁当やちらし寿司、海鮮丼やら
そりゃあご当地自慢が山ほどありますからね。
そうだ、今度贈りましょう。
ここの旅館の中居さん達全員に」
すると中居はびっくりした顔をして
「それはみんな喜びますけれど・・・
宜しいのですか」
「元地球保護観察官なんてお金の使い道がなくてね。
それよりも、舌の肥えた旅館の従業員さんから
確かな料理の味を教えてもらった方が
楽しいんじゃないですかね。
カタログをフロントに転送しておきますから
みんなで選んでください。
あ、負担にならないように金額の上限は
設定しておきますから」
「それなら・・・ただ、女将には話を通しておきますので
しばしお待ちくださいね」
「いいですよ。明日の朝にでもフロントに
言付けていただければ。
さ、そろそろ参りましょう。
風邪をひいてしまいますよ」
「あら、私は元気だけなのが取り柄なのですよ」
こうしてオレ達は夜桜を後にして
旅館に戻るのだった。
了
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m