詩220624 人参
詩220624 人参 :
舌鋒鋭い男がいた。
彼は確かに正しくて人々を納得させた。
だが、その物言いは
多くの人を傷つけた。
彼は正しいのに、その正しさ故に
人気の無いビルのゴミ捨て場に
ボロ雑巾になって捨てられた。
彼はゴミに埋もれて初めて
涙が目からあふれ出た。
「あんた大丈夫かい?」
その人は赤い人参色をした
髪の毛をおさげにした少女だった。
そして彼の額に手をやると
熱いじゃないかとつぶやき、
彼の腕を自分の肩に回して
自分の家へと連れて行った。
そして少女は自分の家の
自分のベッドに男を寝かせた。
「何故そこまでする。
俺は臭いし汚いし人を傷つけることしか
知らない」
すると少女は笑って、
「臭いのと汚いのは洗えばいいことでしょ。
人を傷つけることに今気付いたのなら
これから優しい温かい人になればいいわ」
「俺になれるだろうか」
「なれるわ。傷ついた人は誰かが傷つくのが
嫌な人になるのだから」
「そうかそういうものなのか」
男は天井を見た。
そして窓を見た。
三日月が男を見ている。
その光に男は癒された。
神という者の存在を感じた。
了
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
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下されば幸いです。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
舌鋒鋭い男がいた。
彼は確かに正しくて人々を納得させた。
だが、その物言いは
多くの人を傷つけた。
彼は正しいのに、その正しさ故に
人気の無いビルのゴミ捨て場に
ボロ雑巾になって捨てられた。
彼はゴミに埋もれて初めて
涙が目からあふれ出た。
「あんた大丈夫かい?」
その人は赤い人参色をした
髪の毛をおさげにした少女だった。
そして彼の額に手をやると
熱いじゃないかとつぶやき、
彼の腕を自分の肩に回して
自分の家へと連れて行った。
そして少女は自分の家の
自分のベッドに男を寝かせた。
「何故そこまでする。
俺は臭いし汚いし人を傷つけることしか
知らない」
すると少女は笑って、
「臭いのと汚いのは洗えばいいことでしょ。
人を傷つけることに今気付いたのなら
これから優しい温かい人になればいいわ」
「俺になれるだろうか」
「なれるわ。傷ついた人は誰かが傷つくのが
嫌な人になるのだから」
「そうかそういうものなのか」
男は天井を見た。
そして窓を見た。
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その光に男は癒された。
神という者の存在を感じた。
了
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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術