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ss180330レベル1のヘルゲート 「細菌兵器にご用心」

180330レベル1のヘルゲート 「細菌兵器にご用心」

「ああ、桜がきれいだなぁ」
俺は出前の配達の愛自転車を
漕ぎながらつぶやいた。
街路樹は桜色に染まって華やかだ。
でも、本当はこれは桜ではないらしい。
だけどいいのだ。春だから。
俺はなんとなくウキウキしながら店へと戻った。

自転車を片づけ店に入り、
「ただいま戻りました」と店長に声をかける。
「おう、ご苦労さん。賄い飯食べろよ」
と店長が声をかけてくる。
その声に応えながらそっとつぶやく。
「いつになったら俺の世界に帰れるんだろ、はぁ」
あ、俺、唯の出前のバイトだけど、
今いる世界、地球じゃなくて異世界ナンデス。

いやぁ、最初は困ったよ?
何しろここはどこ?家はどこ?腹減ったどうしよう
と悩んでいたら、
この世界では異世界人って結構出現するらしく、
対応ばっちりお役所仕事サクサク進んで
家も職ももらえて、一応元の地球の移転時間に
合わせて戻れるよう確認してくれるという
親切ぶりだった。

で、紹介された職が住み込みの食堂の出前持ち。
この世界って、魔法があるけれど
一般人はそんな大して使えない世界。
まだ馬車が活躍している生活水準なのに、
何故か自転車はあった。
何故だ?文明の発展手順が違うくね?
と思ったけれど、どうやら
俺より以前に異世界転移しちゃった人が
魔術師と協力して根性で作り上げたらしい。
でも、庶民にとってはちょっと手を出すのは
ためらう値段なのに、
何故か店長が持っていて、
俺に出前の時に使えと貸してくれた。
ただし、出前の中身がこぼれない装置は
開発してくれなかったので、
俺は店長のシゴキじゃなくて猛特訓で
中身をこぼす事無くお客さまに届ける
事ができるようになった。

「で、店長。次の出前先はどこですか?」
おれは賄いの飯を食べ終えて店長に尋ねた。
「おう、いつもの『ヘルゲート』だ」
俺の身体に緊張が走る。
「王立魔術学院ですね」
「そうだ。そこへ出前だ」
ー王立魔術学院。そこは偏屈魔術師の集まりだった。
本来、国の一機関に出前を届けるのに
身構える必要はない。
だが、そこは偏屈魔術師の巣窟。
自分の魔術を使いたくてたまらない連中の集まりだ。
裏門?怪しげな魔術道具が所狭しと置かれていて
いつ何が発動するかわからない道を通れるのは
魔術に精通する業者でないと危なくて仕方がない。

  正門も「休戦協定」というやつが発動しないと
一般人は通れない。
それなしで唯一出前を届けられるのがこの俺だ。

「アイサー、出前はこれですね。
届けてきます」
すると店長が真面目な顔をして、
「お前、今日はこれを着てゲートをくぐれ。
それに出前にこのカバーをしろ」
「?レインコートですか。
雨降ってませんよ。しかも顔もカバー
かかってますね。」
「先ほど連絡が入った。
今日は玄関で大物が待っていると」
「大物?他に情報はないのですか?」
「いや、伝書鳩できたから詳細は
わからん。お前のいうレインコートという
代物も、魔術士配達員が届けてきた」
「だったら、そいつが出前を届ければ
いいだけの話だと思いますが。
いえ、なんでもありません。
アイサー、出動します」
店長の背後でオドロオドロシイ線が
出てきたので、俺は急いで
愛自転車にまたがり
出前へと疾走した。

そして王立魔術学院の正面ゲートに
到着した。
おかしい。いつもだったら変態じゃない
ちょっと言動のおかしい魔術師達が
ゲートと王立魔術学院への正面玄関迄の
道の間に見え隠れしているのに、
今日は静かだ。
俺は、ゲートを開けようとして、
出前にかかっているカバーを直し、
レインコートを深く被った。
そして門を開けようとするとー
とっさに俺は右へと愛自転車ごと逃げた。
突然、ゲートの門が突風と共に
開いたからだ。
「くっ今日の敵は風魔法か?
しかしそれにしてはシンプルな」
しばし観察すると、門は一定のリズムで
突風で開くようだ。
俺は意を決してゲートの内へ入った。
突風を野生の勘でかわしながら、
正面玄関へと愛自転車を進める。
そして、突風は正面玄関をも
開けているのを発見した。
そこで俺は、突風が止んだ隙に
正面玄関を開けて中へ滑り込んだ。

するとそこに居たのは
「ドラゴン!でかっ」
玄関いっぱいの大きさのドラゴンが
一頭、鼻をズピズピ言わせながら
へばっていた。
そして、ときどきゴホンゴホンと咳をし、
ブエックシュンとくしゃみをしていた。
「あ~やっときた。早く出前ちょうだい」
ドラゴンの口の近くから魔術師の少女が
出てきた。
彼女はドラゴンの鼻水らしき液体で
びちょびちょだった。
「あ、出前ありがとうございます。
このドラゴン、花粉症ですか?」
「違うわよ!風邪よ風邪っ
あたしはドラゴンマスターなんだけど、
この子ったら、ちょっとあったかいからって
湖で水遊びして、夜に身体冷やして
風邪ひいちゃったのよ。
喉が痛いのに風邪薬飲めなくて、
店長に頼んで出前のうどんに強力な
ドラゴンも一発で治る風邪薬を
仕込んでもらったのよ」
ぶえっくしょーいっ
その時、ドラゴンがすごいくしゃみをした。
魔術師の少女は急いでドラゴンにかけより
「ああ、ごめんね。喉が痛いのね。
このうどんを食べたら治るから食べてね」
と言ってうどんを食べさせた。
うどんには強力な眠り薬もあったらしく、
ドラゴンは食べ終える(と言っても一飲みだが)と
同時にズビズビ言いながら眠りについた。

「はぁ、これでやっと治るぅ」
魔術師の少女はそういうと座り込んだ。
「あの、これ貰いもので悪いんすけど
桜餡パンどうすか」
「あ、ありがとう。実はおなかすいていたのよね。
助かるわ」
そう言って俺が桜餡パンを渡そうとした時、
俺の鼻がむずむずしてくしゅんとくしゃみをして
しまった。
「!!!!!!!!」
くしゃみは運悪く彼女の魔術師のコートに
かかってしまった。
ドラゴンの鼻水でぐしゃぐしゃのコートに。
「あ、すすいません」
「いやぁあああああ」
俺は彼女にビンタされて愛自転車をひっつかんだまま
正面玄関の扉にぶつかりゲートの門を超えて
叩きだされた。
チャリンチャリン。お代が俺にぶつかる。
「なんだよ、俺はドラゴン以下かよ」
俺はぶつぶつ言いながら愛自転車に乗って
店へと戻った。
その後、何故か風邪をひき、
ドラゴンも一発で治る風邪薬を飲まされたのだった。


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