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押しかけ花嫁現代版:ss

180531押しかけ花嫁現代版:ss

ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る。
「ハーイ」
俺は食べていたカレーうどんの
箸を置いてドアを開けた。
ん?誰もいない。
「ここです。ここです、もっと下です」
俺は下を見る。
するとそこには文金高島田を着た
蛙がいた。
蛙といっても俺の膝位はある。
「・・・俺、疲れているのかなぁ。
確かに社畜だけど」
そう言ってドアを閉めようとすると、
ガシッとその蛙がドアを持って閉じさせまいとする。
幻だったら、ドアは閉まるはず。
俺は抵抗を諦めた。
それで今、リビングにいる。
「で、独り暮らしの人間の俺の所に
蛙のお嬢さんが何故花嫁衣装を着て
来るんです?」
俺はマグカップにペットボトルのお茶を
出して言った。
すると蛙の花嫁は、
「はい、その昔、あなたのおじい様が
豊作と引き換えに孫に男の子が
産まれたら同じ孫娘と結婚させる
約束をしました。それがこの私でございます」
俺は何とかむせるのをこらえた。
「この現代で冗談やめましょうよ。
昔話じゃあるまいし、第一好きでもない人間の
男と結婚するなんてナンセンスですよ」
「き、きらいじゃありません。写真で
ずっとこの人があなたのお婿さんですよ
と言われてそれ以来お慕いしておりました」
(うぉおぉおぉお、洗脳完璧じゃん)
「というか、私が蛙なのに驚かないのですか」
「いやぁ、驚いているけれど、結婚するっていう
位だから人間になれるのかなぁと思って」
すると蛙は目をキラキラさせて、
「ハイ、この通り人間になれます!」
もわぁんと白い煙があがると、そこには
日本人形みたいな美女がいた。
「あ、結婚OKです」
俺は即答した。
「それでは、婿養子に入っていただいて、
田舎で農業をして下さい。
そして地域の自然を守って下さい!」
どうも、昭和からの乱開発で
地域の妖怪達が困っているらしく、
観目麗しい妖怪の雌と人間の男を結婚させて
自然環境を保全させようという事らしい。
そこに人間の役所も絡んでいるらしく、
俺はあれよあれよという間に
婚姻届に判を押して、
会社を即刻退社し彼女の田舎モトイ
うちの田舎へと引っ越した。
農業はたいへんだけれど、
子供(人間)と、妖怪おたまじゃくしの
子供がわんさか産まれた。
なんか、近くの池で俺の子がうじゃうじゃ
いるのかと思うと妙な気がするが
気にしないことにした。
今日もいい天気だ。



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日本に暮らす宇宙生物
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