遥か彼方の時間を経て:ss
180601 遥か彼方の時間を経て:ss
「はぁ」
俺はため息をついて、慌てて辺りを見渡した。
人気の無い昼の道とはいえ、
成人男性がいきなりため息をついたら
周りはびっくりするだろうから。
そう、今日は休日。
特にする事もない俺は
コンビニに昼飯を買いに行った帰りだ。
仕事に特に不満は無い。
職場環境も良好だ。
ただ、時々こういう時間に空しさを感じるだけだ。
(あ、いかん。いつの間にか下を向いていた。
前向き前向き)
俺はわざと胸を張って前を見る。
すると、犬が一匹前方にいた。
ぱぁっと俺の心が輝いた。
ワンコだ。飼い主いないのかな。
いや、美女の飼い主がいてお近づきに
なれたりして。そんな妄想をして
犬に近づいて見た。
すると、犬はある一定の距離になると
つい、っと先に行く。
俺は面白くなって犬の行く方へ着いて行く。
どうせ、何もする事がないのだ。
犬に任せてみるのも一興だ。
そうして犬について行くと、
いつか道は途切れ、野原に出た。
「うわぁ」
俺は息を飲む。
ただの野原だ。
それなのに、なんだか俺の心が
開けたような気がする。
「ポチ!」
わんわん犬が吠える。
そして、野原の向こうから、
少女が駆けてくる。
犬を少女が抱きしめる。
俺はそれを微笑ましくみていた。
すると、風がざぁぁぁっと吹いていき
俺は目を閉じた。
すると、そこは近所の公園だった。
ブランコがわずかに揺れている。
犬も少女もいなかった。
その後、俺は会社を辞めた。
田舎に居を移し幸い仕事もみつかった。
そして、犬を飼い始め、それが縁で
今の妻と出会った。
子供も産まれ巣立って行った。
今は退職して悠々自適の生活だ。
何代目かのポチと妻と散歩に行く。
あの時見た野原の中を。
了
宇宙雑貨ぷりちーぴ
HP
「はぁ」
俺はため息をついて、慌てて辺りを見渡した。
人気の無い昼の道とはいえ、
成人男性がいきなりため息をついたら
周りはびっくりするだろうから。
そう、今日は休日。
特にする事もない俺は
コンビニに昼飯を買いに行った帰りだ。
仕事に特に不満は無い。
職場環境も良好だ。
ただ、時々こういう時間に空しさを感じるだけだ。
(あ、いかん。いつの間にか下を向いていた。
前向き前向き)
俺はわざと胸を張って前を見る。
すると、犬が一匹前方にいた。
ぱぁっと俺の心が輝いた。
ワンコだ。飼い主いないのかな。
いや、美女の飼い主がいてお近づきに
なれたりして。そんな妄想をして
犬に近づいて見た。
すると、犬はある一定の距離になると
つい、っと先に行く。
俺は面白くなって犬の行く方へ着いて行く。
どうせ、何もする事がないのだ。
犬に任せてみるのも一興だ。
そうして犬について行くと、
いつか道は途切れ、野原に出た。
「うわぁ」
俺は息を飲む。
ただの野原だ。
それなのに、なんだか俺の心が
開けたような気がする。
「ポチ!」
わんわん犬が吠える。
そして、野原の向こうから、
少女が駆けてくる。
犬を少女が抱きしめる。
俺はそれを微笑ましくみていた。
すると、風がざぁぁぁっと吹いていき
俺は目を閉じた。
すると、そこは近所の公園だった。
ブランコがわずかに揺れている。
犬も少女もいなかった。
その後、俺は会社を辞めた。
田舎に居を移し幸い仕事もみつかった。
そして、犬を飼い始め、それが縁で
今の妻と出会った。
子供も産まれ巣立って行った。
今は退職して悠々自適の生活だ。
何代目かのポチと妻と散歩に行く。
あの時見た野原の中を。
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