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ss190417俺と隣の吸血鬼さんの奮闘記

ss190403俺と隣の吸血鬼さんの奮闘記

「ただいま~て何か部屋が暗い
って、何目光らせてんの吸血鬼さん」
そう、もう一度言う。
隣のイケメン吸血鬼。
そう、イケメン。
黒髪はあくまで天使の輪ができていて
鼻筋はくっきり高く
青い瞳は女性をひきつけて離さない
そう、世の男性の敵のイケメン吸血鬼!
ひょんな事から知り合った俺達は
そんな吸血鬼さんに食事(献血)をする代わりに
家事一切を引き受けてもらっている。
何故なら不規則な生活で
不健康な食事(献血)を吸血鬼さんがしたくないからだ。
そのおかげで俺は、コンビニ弁当三昧な生活から
毎日三食手作り健康的な食事をしていて
(昼は弁当)健康優良児になったのだ。
しかも、吸血鬼さんは食事(献血)をすると
目からルビーが出てくる。
その分け前の半分を俺にくれる太っ腹。
おかげで俺は以前勤めていた
ブラック企業を無事退社して、
定時出社退社に祝日有給まるまるとれる
ホワイト企業に就職したのだった。
そんな吸血鬼さんが頭を抱えて
目を真っ赤にさせながらちゃぶ台で
原稿用紙と格闘している。
「あ、お帰りなさい。お夕飯できていますよ。
ちゃぶ台に乗ってるそれです。
お味噌汁は申し訳ありませんが、ご自分で
温めてくださいね」
と吸血鬼さん。
「それはいいけれど、何そんなに原稿用紙と
にらめっこしてんの」
俺はスーツをハンガーにかけながら尋ねる。
すると吸血鬼さんがため息をつきながら、
「実は今週末に魔女のサバトがあるんですが
それにお呼ばれしまして。
ええ、講演を頼まれたんです」
「え、魔女のサバトって怪しげな集会じゃないの」
「人間が面白おかしくいってるだけで、
普通の飲み会ですよ。
場所もヨーロッパですが公民館借りて
パーティーしているだけですし。
ただ、折角集まるので実りのある話も
しようじゃないかと誰かが言いだしたらしくて
『吸血鬼と現代文明』という題で講演の依頼が
来たんです。正直弱みを握られている相手なので
断りきれなかったんですよ」
そう言って頭をふる吸血鬼さん。
なんですと?吸血鬼さんの弱み?
「へぇ、それは大変だね。それで吸血鬼さんの弱みって?」
俺はさりげなく鎌をかける。
すると吸血鬼さんが軽く睨んで
「私がお世話になった人ですから。
若気のいたりを知られているんですよ」
「え、その辺の話を聞きたいな♪プリーズ」
するとプイっと吸血鬼さんは横を向いて
「話しません。それより私は講演の内容を考えるので
邪魔をしないで下さい」
そう言って原稿用紙と格闘しだした。
俺は飯を食べながら、
そういや都会は夜も明るいから
吸血鬼として寝不足にならないのかとか、
何で血液と成分の違うトマトジュースで
代用できるのかとか尋ねた。
それが丁度、講演の内容と合っていたらしく、
吸血鬼さんの原稿用紙を埋める速度が
アップした。
そしてー
「できました、ありがとうございますっ」
そう言って吸血鬼さんが俺にハグしてきた。
吸血鬼さん、なんのかんの言っても
ボディタッチの激しいヨーロッパ人なんだなぁと
妙な納得をした俺がいたのだった。

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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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