190427俺と隣の吸血鬼さんと季節限定品
190427俺と隣の吸血鬼さんと季節限定品
「吸血鬼さん!商店街行こう!」
俺は家に帰るなりリビングにいた
吸血鬼さんに声をかける。
そう、吸血鬼さん。
彼は俺のアパートの隣の部屋に住んでいる、
黒髪はあくまでもさらさらのストレートヘアで
天使の輪っかつき。
そして女性を一目で虜にする青い瞳。
あくまでも整った顔は、着やせして分かりにくいが
それなりに筋肉質なイケメンである。
彼とはヒョンな事から知り合って
あれこれあって、俺が吸血鬼さんに食事(献血)を
提供する代わりに家事一切をやってもらう契約を
結んでいる。
しかも、彼は食事(献血)をすると目からルビーが
出るのだっ。その分け前の半分をくれるという太っ腹!
おかげで俺はそれまで勤めていた
ブラック企業とおさらばして定時出社定刻退社で
土日祝日有給ばっちりとれるホワイト企業に就職したのだ。
しかも料理はうまいし。
その為、俺は健康優良児になっているのだ。
そして最初に戻る。
「吸血鬼さん!今商店街の和菓子屋さんで
季節限定葉桜ようかんが売られているって、
駅前でチラシを配っていたんだ。
俺どうしても食べたいんだっ。
でも人気だからお一人様一個なんだよ。
一緒に行ってくんない?」
すると吸血鬼さんが目をぱちくりさせて
それからふっと笑って
「いいですよ。じゃぁ、急いで行かないといけませんね」
「おうっ。俺自転車漕ぐから後ろに乗って」
「わかりました。それでは急ぎましょう」
こうして俺達は自転車に乗って商店街へと急いだ。
夕日が男二人を明るく染める。
「最後の2個だったなんて危なかったですね」
「うん、でも吸血鬼さんのおかげで2個買えたから
良かったよ」
「それなんですが。私も少し食べてもいいですか?」
「え!吸血鬼さん食べたいの?いいよいいよ食べなよ。
うまいもんは一緒に食べると倍おいしいからな」
一番星が俺達を見て笑っているみたいだった。
了
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