ss190922奥様は魔女と「好きなお茶はなんですか?」
ss190922奥様は魔女と「好きなお茶はなんですか?」
「ねぇ、あなた。好きなお茶って何?」
リビングで食後、雑誌を読んでくつろいでいると、
奥様がそんな問いかけをしてくる。
「そんなの。お前が淹れてくれればどんな
お茶も高級品だよ」
ちょっとおどけてそんな回答をしてみると、
「もう、からかわないでよ。
友達から各種紅茶のサンプルセットをもらって
飲んでみて~て言われたのよ。
ブログネタにもいいからちょっと飲んでみて」
「と言う事を男に言われてもなぁ。
それって、プロがブレンドしているんだろ?
標準以上の味にどれも仕上がっているから
どれもおいしいっていうのが感想に
なってしまうのは仕方がないよ。
彼らのプロ意識に敬意を表するとしか
言い様がないなぁ」
「う~ん。そう言われるとしょうがないわね。
分かったわ。人間界のブログはあきらめるから
魔女界向けブログのネタになってちょうだい」
「うわ!それって実験体扱いじゃん。
・・・分かったから睨むなよ。飲むよ、飲みますよ」
そう、奥様は魔女なのだ。
ここで逆らうとさらに酷い目に遭うので俺は
泣く泣く奥様が呪文を唱えた紅茶を口にした。
「う、これは!エグイ、なんかほんのり甘いのにエグイ!」
そう俺が言うと、奥様が一口飲んで
「あなた、これって養寿酒になってるわよ。
あたしの唱えた呪文って、今体が必要としている飲み物っていう
呪文なの。あなた、それ全部飲んだら寝た方がいいわよ。
疲れているみたいだから」
こうして俺は、劇まずの飲み物を飲んだ。
なんで紅茶が健康飲料酒になっているのか疑問に思いながら。
了
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