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ss:200531独り身の男

ss:200531独り身の男

私は、とある大陸を旅している。
そこは文明とは程遠い、
自然と共存して生きる部族社会の人々の土地だ。
私はこの大陸の自然を満喫した。
決して人に優しい世界ではない。
時には小さな虫の群れに襲われ、
大型動物が通り過ぎるのを間際で見る。
だが、そこに力強い生命力を感じるのだった。
夜になった。
私は近くの部族に行き、一夜の宿を請うた。
部族長は快く受け入れてくれた。
私が案内されたのは、独り暮らしの男の
家だった。
私は、自動語録成長翻訳機をつけいていたので
部族の人たちとの会話は最初ぎこちないものだったが
だんだんとスムーズになっていった。
そして日も暮れて部族長始め他の部族の人達は
それぞれの家に帰り、私とこの家の主の男が残された。
男は燃える火を見ながら言った。
「私が何故独り暮らしなのか分かるか、旅の人よ」
私は戸惑った。
「さぁ?好きな女性と添い遂げられなかったからとか」
すると男は薄く笑った。
「それは合っているとも言えるし違うとも言える。
私は眼が悪いんだ。
おかげで遠くの獲物が取れない。
獲物が取れなければ家族を養えない。
部族のみんなは優しい。どんなに苦しい時にでも
私に獲物を分けてくれる。
私も努力しなかったわけではない。
女たちの仕事を手伝ったり、小さな獲物を捕らえるように
努力をした。
だが、それでは一人前の男の儀式を受けられないんだ。
儀式は一人で大型肉食動物ガルムと闘い、
その牙と毛皮を持ち帰る事なんだ。
毛皮は意中の女に贈る。受け取ってもらえたら婚姻成立だ」
そう話した男は黙って、燻る火の中に木の枝を入れた。
私は、ただ黙っているしかなかった。
男も黙ったままだったので
私は寝たふりをした。
男も黙って体を横たえた。
その内、私は深い眠りについた。
 次の日の朝、男に起こされた私は
顔を洗いに池に連れていかれた。
男は槍を持っていて、野生動物に気を付けろと言った。
池で顔を洗い、次に川へ行くと言うので
ついて行った。
男は無口で、川辺に何故立つのかも言わなかった。
そして数瞬、
男は川に向かって槍を投げた。
槍は100m程先の川の半ば迄滑空して
水の中へと潜った。
直後、腹に槍を貫かれた魚が水面から跳ねた。
男は川へ飛び込んだ。
そして川面に浮いている魚と槍を回収し、
こちらに向かってくる。
魚は50㎝程の大きさだった。
「行くぞ」
男はそう告げて村へと歩き出した。
私は後ろを振り向いた。
川は静かに流れていた。






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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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