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ss201030奥様は魔女と里帰り

ss201030奥様は魔女と里帰り

「じゃぁ、ダーリン行ってくるわね」

奥様が魔法陣に乗って
手を振る。

「行ってくるって、
朝には帰ってくるじゃないか。
ま、里帰りなんて久しぶりだけど
明日はハロウィンだからな。
のんびりできないのが
難点だな」

俺は苦笑して応える。
そう、奥様は魔女なのだ。
魔女界から人間界にやってきて
俺と出会って結ばれた。

すると奥様が口を尖らせて

「だってダーリンと一夜だけでも
離れるなんて心配なんだもの。
浮気されないかなとか考えちゃって。
ダーリン、魔女界でちょっとした
人気者なのよ」

「はは、この家には君の
結界が張ってあるだろ。
これを破って入るほど
度胸のある魔女はいないよ」

「そう言われればそうだけど。
でも、気を付けてね。
何かあれば寝室に逃げてね。
あそこが一番強力な結界を
張ってあるから」

「了解。ほら、魔法陣から光が出ている。
行っといで」

「分かったわ。行ってきます」

こうして魔法陣が光に包まれる。
そして光が消え終わる頃には
奥様の姿はなかった。

ふぅ、俺は何とも言えずため息をつく。
本来なら明日のハロウィンの日に
帰りたかったはずだ。
だが、人間界の荒れた状況の
ヒーリングのためにも
前日の今日、奥様は魔女界へ里帰りをした。

そう、空へと旅立った使い魔達の
鎮魂の為に。
ハロゥインだと魔女達の魔法で
彼らの魂と触れ合う事ができる。
だが、今日だとその気配を感じる程度だという。
それでも奥様は彼らに会いたかった。

「彼らの魂に安らぎを」
俺は何に言うともなくつぶやいた。
すると、リビングの窓をガリガリひっかく音がする。
見やると黒猫だ。
俺はにやりと笑った。
「騙されないよ。庭にまで入った実力は認めるけれど
お帰り。今日の奥様は気が立っている。
ほら、罠にかかる前にお帰り」

すると黒猫が「にゃーお」と悔し気に鳴いて
ヒュッと消えた。

俺はもう一度つぶやく。
「彼らの魂に安らぎを」


善き事がありますように。

お読みいただきありがとうございました。

宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

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また、『SS』とは
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*4コマの記念日はウィキを
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