210224-8遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-2
キャラクター紹介
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「オーディス、早くしろ」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「ジェルドちゃん、観光地よ。素敵な出会いが
あるかもしれないでしょ」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「皆、地球人アバターを着ているので
本体を知られたら意味がないのでは?」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「氷惑星宇宙港へ着陸します」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210224-8遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-2
「ようこそ氷惑星へ。
宇宙検察官様お二人ですね。
何か持ち込み不可の物は
ございませんか」
宇宙港の税関職員は愛想よく尋ねる。
普通、税関の職員は無愛想な物だが、
宇宙検察官の証明手帳が効いたらしい。
「はは、本当に持ち込む人間は
真面目に持ち込んでませんと答えるぜ。
ま、持ち込んではいないけれどね」
オーディスが機嫌よく答える。
「オーディス、無駄口を叩くな。
お察しの通り今回は仕事ではなく
観光だ。よろしく頼む」
「はい、それでは荷物を検査機に
通させていただきますね」
そう言って宇宙港の税関職員は
通り一遍の検査をして俺たちを
通してくれた。
「あ、オーディス様。
オーディス様の本体は
この星での大型犬に当たる
地球の犬のアバターを着用した
動物達にとっては
そのう、獰猛過ぎるのです。
売店で匂い消しの錠剤を買って
常に常備して下さい」
「ああ、そう言えば宇宙港の注意事項欄に
そんな記載があったな。
分かった買ってくるよ」
「という訳でジェルドちゃん、売店行こうぜ」
「ああ、それにしてもこの氷惑星の
大型犬って熊位の大きさが
あるぞ。
それを脅かすってどれだけ
お前の本体って凄いんだ」
「えへへ、何と言っても
宇宙最強の種族と言われているからな」
「宇宙最凶のまちがいだろ。
売店ついたぞ」
「あ、本当だ。どの辺にあるのかな
(なぁ、あの店員さん美人だな)」
「薬品の棚にあるんじゃないのか
(脳波で話しかけるな。
確かに美人だが地球人アバター
着用だから判断つかんな)」
「お、さすがジェルドちゃん、
あったあった
(いや、匂いで分かる。
あれは本体も美人だ)」
「そうか、早く会計してこい
(・・・お前、異種族でも女なら
関係無いのな)」
・・・・・・・
「ジェルドちゃん、お待たせぇ。
あの店員さん親切でさ。
サービスでコーヒーくれたよ」
「そうか。もしかして脈ありかも
しれないな。
それより早く、匂い消しをのみこめよ」
「いや、これ錠剤じゃなくて飴だよ。
ま、一粒で一日効くらしい」
そう言ってオーディスは口の中に
匂い消しの飴を入れた。
そして黙りこくった。
「どうした?」
「ジェルドちゃん、これ甘草」
「甘草って、あの地球の北欧で
愛用されているまずい甘味料の事か」
オーディスは涙目になりながら
「うん、ビンゴ。だからあのお姉さん、
コーヒー奢ってくれたんだ」
「それ、飲み込めないのか」
「ダメ。ちゃんと舐めないと
胃が荒れるから
舐めろって書いてある」
「そうか。じゃぁ先程の店員のお姉さんの
好意に感謝するんだな」
「うん、そうする」
そしてオレはふと後ろを振り向いた。
先程の売店の女店員が男と話している。
そして親しそうにハグしているのを目にした。
オーディスは何かをこらえるように
匂い消しの飴を舐めている。
(気の毒にな)
オレは後でオーディスに何か奢ってやろうと
珍しく思った。
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
ジェルド:元地球保護観察官・オレ・地球の紙の本が好き
「オーディス、早くしろ」
オーディス:ジェルドの同僚・俺・種別を問わず女性好き
「ジェルドちゃん、観光地よ。素敵な出会いが
あるかもしれないでしょ」
花子さん:全身金色のタイツに
スケルトン家事ロボットを入れたメイドさん。
「皆、地球人アバターを着ているので
本体を知られたら意味がないのでは?」
AI自動操縦機:宇宙船を操作している人工知能
「氷惑星宇宙港へ着陸します」
これは元地球保護観察官(宇宙検察官でもある)が
地球より帰還する航宇宙のお話。
_________________________
210224-8遥か銀河に手を伸ばし【氷惑星を楽しんで】30-2
「ようこそ氷惑星へ。
宇宙検察官様お二人ですね。
何か持ち込み不可の物は
ございませんか」
宇宙港の税関職員は愛想よく尋ねる。
普通、税関の職員は無愛想な物だが、
宇宙検察官の証明手帳が効いたらしい。
「はは、本当に持ち込む人間は
真面目に持ち込んでませんと答えるぜ。
ま、持ち込んではいないけれどね」
オーディスが機嫌よく答える。
「オーディス、無駄口を叩くな。
お察しの通り今回は仕事ではなく
観光だ。よろしく頼む」
「はい、それでは荷物を検査機に
通させていただきますね」
そう言って宇宙港の税関職員は
通り一遍の検査をして俺たちを
通してくれた。
「あ、オーディス様。
オーディス様の本体は
この星での大型犬に当たる
地球の犬のアバターを着用した
動物達にとっては
そのう、獰猛過ぎるのです。
売店で匂い消しの錠剤を買って
常に常備して下さい」
「ああ、そう言えば宇宙港の注意事項欄に
そんな記載があったな。
分かった買ってくるよ」
「という訳でジェルドちゃん、売店行こうぜ」
「ああ、それにしてもこの氷惑星の
大型犬って熊位の大きさが
あるぞ。
それを脅かすってどれだけ
お前の本体って凄いんだ」
「えへへ、何と言っても
宇宙最強の種族と言われているからな」
「宇宙最凶のまちがいだろ。
売店ついたぞ」
「あ、本当だ。どの辺にあるのかな
(なぁ、あの店員さん美人だな)」
「薬品の棚にあるんじゃないのか
(脳波で話しかけるな。
確かに美人だが地球人アバター
着用だから判断つかんな)」
「お、さすがジェルドちゃん、
あったあった
(いや、匂いで分かる。
あれは本体も美人だ)」
「そうか、早く会計してこい
(・・・お前、異種族でも女なら
関係無いのな)」
・・・・・・・
「ジェルドちゃん、お待たせぇ。
あの店員さん親切でさ。
サービスでコーヒーくれたよ」
「そうか。もしかして脈ありかも
しれないな。
それより早く、匂い消しをのみこめよ」
「いや、これ錠剤じゃなくて飴だよ。
ま、一粒で一日効くらしい」
そう言ってオーディスは口の中に
匂い消しの飴を入れた。
そして黙りこくった。
「どうした?」
「ジェルドちゃん、これ甘草」
「甘草って、あの地球の北欧で
愛用されているまずい甘味料の事か」
オーディスは涙目になりながら
「うん、ビンゴ。だからあのお姉さん、
コーヒー奢ってくれたんだ」
「それ、飲み込めないのか」
「ダメ。ちゃんと舐めないと
胃が荒れるから
舐めろって書いてある」
「そうか。じゃぁ先程の店員のお姉さんの
好意に感謝するんだな」
「うん、そうする」
そしてオレはふと後ろを振り向いた。
先程の売店の女店員が男と話している。
そして親しそうにハグしているのを目にした。
オーディスは何かをこらえるように
匂い消しの飴を舐めている。
(気の毒にな)
オレは後でオーディスに何か奢ってやろうと
珍しく思った。
続く
善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
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