ss211029奥様は魔女とダジャレウィン
ss211029奥様は魔女とダジャレウィン
「う〜ん」
ヒンヤリとした秋の朝。
着替えた俺は庭でラジオ体操なんかを
思い出しながら運動してみる。
「あら、ダーリン起きたのぉ」
二階のベランダから奥様の声がする。
奥様はパジャマ姿。
色とりどりのハートを散りばめたその
姿は愛くるしい。
だが、オレはそれを見た瞬間、
速攻で二階のベランダへ行き、
奥様を室内へ連れ戻した。
「ダメじゃないか。パジャマ姿でベランダに出るなんて
通りに面していてだれに見られるか
分かったものじゃない」
すると奥様はニコリと笑って
「大丈夫!魔法で外からは姿は見えないから。
あと、声も聞こえないようにしてあるから」
そう、奥様は魔女界からやってきて
俺と出会い結ばれた。
「いいや、そういう問題じゃない
もう少し恥じらいをもとうよ恥じらいをっ」
「あ、もしかしたら焼きもち焼いたのかなぁ、
ダーリン💖」
「うっ、そういうわけじゃないぞ。
『布団が吹っ飛んだ』
ほどの寒いギャグをいう程じゃないぞ、
とうわぁあああああああ」
俺がそれを言った瞬間に、
部屋に敷いてあった布団が動き出し、
俺と奥様二人を乗っけて
外へと猛スピードで空へと駆けだした。
「もう、ダーリンが寒いギャグを言うからっ」
俺は何も答えられず必死で
片手で布団にしがみついて
奥様をもう片方の腕で抱き寄せた。
そうこうしているうちに
奥様が呪文を唱えて
布団はゆっくりとまっすぐ空を飛んだ。
「で、結局この布団は『魔法の布団』なんだな」
「そうなの。夏は涼しく冬は暖かく、
天気のいい日はベランダで自力で飛んで
干されにいくという優れものなのよ。
それが、ダーリンが寒いギャグを言ったのに
反応して、暴走したみたいね。
人間界だと騒ぎになるから、魔女界へ移転してるわよ」
「そうか。それは悪いことをした。
だけど、ポカポカ陽気で気持ちがいいな。
あ、誰か下で手招きしているぞ」
俺と奥様は顔を見合わせて下へ降りることにした。
そこには、柴犬程の大きさのハムスターがいて、
カボチャ畑を収穫していた。
「あら、あなた使い魔を引退した子ね」
ハムスターはうなずいた。
そして、畑の横から一つジャックオランタンを
取ってきて手渡してきた。
「ありがとう。でも何もお礼をするものがないわね。
そうだ、畑のカボチャをジャックオランタンに
作っておいてあげるわね、どうかしら」
すると、ハムスターは嬉しそうにうなずいた。
そしてオレ達は、布団に乗って人間界の自宅へと
帰ってきた。
その日の夕方。
俺達は元使い魔のハムスターからもらった
ジャックオランタンに火を灯した。
「なんか親切なハムスターだったな」
「きっと大事にされた子なんでしょうね」
「ああ、そうなんだろうな」
俺と奥様は、紅茶とハロウィンのかぼちゃクッキーを
食べながらそんな会話を交わしたのだった。
了
お読みいただきありがとうございました。
善き一日をお過ごしください。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
「う〜ん」
ヒンヤリとした秋の朝。
着替えた俺は庭でラジオ体操なんかを
思い出しながら運動してみる。
「あら、ダーリン起きたのぉ」
二階のベランダから奥様の声がする。
奥様はパジャマ姿。
色とりどりのハートを散りばめたその
姿は愛くるしい。
だが、オレはそれを見た瞬間、
速攻で二階のベランダへ行き、
奥様を室内へ連れ戻した。
「ダメじゃないか。パジャマ姿でベランダに出るなんて
通りに面していてだれに見られるか
分かったものじゃない」
すると奥様はニコリと笑って
「大丈夫!魔法で外からは姿は見えないから。
あと、声も聞こえないようにしてあるから」
そう、奥様は魔女界からやってきて
俺と出会い結ばれた。
「いいや、そういう問題じゃない
もう少し恥じらいをもとうよ恥じらいをっ」
「あ、もしかしたら焼きもち焼いたのかなぁ、
ダーリン💖」
「うっ、そういうわけじゃないぞ。
『布団が吹っ飛んだ』
ほどの寒いギャグをいう程じゃないぞ、
とうわぁあああああああ」
俺がそれを言った瞬間に、
部屋に敷いてあった布団が動き出し、
俺と奥様二人を乗っけて
外へと猛スピードで空へと駆けだした。
「もう、ダーリンが寒いギャグを言うからっ」
俺は何も答えられず必死で
片手で布団にしがみついて
奥様をもう片方の腕で抱き寄せた。
そうこうしているうちに
奥様が呪文を唱えて
布団はゆっくりとまっすぐ空を飛んだ。
「で、結局この布団は『魔法の布団』なんだな」
「そうなの。夏は涼しく冬は暖かく、
天気のいい日はベランダで自力で飛んで
干されにいくという優れものなのよ。
それが、ダーリンが寒いギャグを言ったのに
反応して、暴走したみたいね。
人間界だと騒ぎになるから、魔女界へ移転してるわよ」
「そうか。それは悪いことをした。
だけど、ポカポカ陽気で気持ちがいいな。
あ、誰か下で手招きしているぞ」
俺と奥様は顔を見合わせて下へ降りることにした。
そこには、柴犬程の大きさのハムスターがいて、
カボチャ畑を収穫していた。
「あら、あなた使い魔を引退した子ね」
ハムスターはうなずいた。
そして、畑の横から一つジャックオランタンを
取ってきて手渡してきた。
「ありがとう。でも何もお礼をするものがないわね。
そうだ、畑のカボチャをジャックオランタンに
作っておいてあげるわね、どうかしら」
すると、ハムスターは嬉しそうにうなずいた。
そしてオレ達は、布団に乗って人間界の自宅へと
帰ってきた。
その日の夕方。
俺達は元使い魔のハムスターからもらった
ジャックオランタンに火を灯した。
「なんか親切なハムスターだったな」
「きっと大事にされた子なんでしょうね」
「ああ、そうなんだろうな」
俺と奥様は、紅茶とハロウィンのかぼちゃクッキーを
食べながらそんな会話を交わしたのだった。
了
お読みいただきありがとうございました。
善き一日をお過ごしください。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
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