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SS211217焼きそばパンと巌流島

SS211217焼きそばパンと巌流島

昼。
ここはとある学校の校舎の屋上。
俺は早々に昼飯を食べ本を読もうと
独りを楽しむはずだった。

そう、それは同じクラスの同級生が
うーんうーんとうなっているからだ。
ちゃんとつるむダチがいるはずなのに
昼休みになると毎回この屋上にやってきて
俺の側で昼飯を食う。

その同級生の目の前には
コッペパン一つ。
湯切り済みのペ〇ングとU〇Oが
並べられている。
そして同級生はさっさと食べればいいのに
何故か悩んで食べない。

俺はため息を一つついて本を閉じ、

「何を悩んでいる。早く食え」

と言った。
すると同級生は

「なぁ、委員長。今日は購買で
焼そばパンが売り切れていたんだ。
それでこれを買ったんだけど
どうやって食べたらいいと思う?」

俺は頭を抱えた。
そんなくだらないことでずっと悩んでいたのかと
思うとあまりにものバカバカしさに
こっちまでそのバカがうつりそうだ。

「とりあえず、好きな順か嫌いな順かで
食べたらどうだ。
どうせ胃の中に入ってしまえば同じだ」

「な、なんてことを言うんだ。
委員長、人は胃の中に入る前に
舌で味わう行為をするんだぞ。
今悩んでいるのは
この一本のコッペパンに
ペ〇グかU〇Oのどちらかを
挟んで食べる佐々木小次郎食べをするか、
コッペパンを二つに割って
それぞれの焼きそばを入れて
食べる宮本武蔵食べをするか
巌流島の決戦並に悩んでいるんだぞ」

「どちらの剣士も草葉の陰で泣いているっ
・・・ま、どちらにしろ昼の休憩時間は
そろそろおしまいだから早く食べたほうがいいぞ」

そう言って俺は立ち上がって、屋上を後にした。

「薄情者~」

という同級生の叫びを後にしながら。
その後、午後の授業を遅れてきたから
どうにか折り合いをつけて食べたのだろう。

奴の焼きそばパン愛に振り回されるのに
俺はため息を一つついた。



善き事がありますように。

お読みいただきありがとうございました。

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宇宙生物ぷりちーぴm(__)m


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