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SS231020 たまごおじさん(前編)・・・🥚

SS231020 たまごおじさん(前編)・・・🥚


「ゆりこ!待ってくれっ」

「総司、あんたには愛想が尽きたの。
とりあえず実家に帰るわ」

バタン。

玄関のドアが鼻先で閉まる。

「うう、何もそんなに怒らなくても」

俺は玄関のたたきに座り込んだ。
そう、ゆりことは付き合って5年、
結婚して2年が経つ。

結婚してすぐにマイホームを購入。
中古の木造一戸建てだ。

(確かに共働きなのに家事の負担が
ゆりこの方が多かったのは認めるけれど)

「だからって実家に帰らなくてもいいじゃないかっ」

ピンポーン

玄関のチャイムが鳴った。

(あ、もしかして気が変わって戻ってきたとか♪)

俺はいそいそとドアを開けた。

「ゆりこ、俺が悪かった。帰って来てくれてありが・・・
・・・どちら様?」

我が家の前に一人の男が立っていた。

その男は、髪を七三に分け黒ぶち眼鏡をかけ
黒い鞄を下げたスーツ姿の中年男性のセールスマンだった。

セールスマンは満面の笑みを浮かべ
白い歯を見せながら

「ご主人でいらっしゃいますか。
私、家事をお助けする『たまごおじさん』を
販売している者ですが、
少々お時間をいただけないでしょうか」

(うう、ゆりこじゃない。訪問販売だ)

「いや、今取り込み中なのでお引き取り願いたいですね」

「そうですか。
ですが、奥様はお出かけと見受けられますが
家事でお困り事はございませんか」

「何故そう思うんですか」

「いえ、簡単なことですよ。
外に出ている自転車が2台あるのに
一台だけカバーがかかっています。
玄関にはパンプスが置いていらっしゃるのに
普段履かれる靴が見当たりませんから」

「そうですか。すいませんが
そのたまごなんとかは必要ありませんので
お引き取りください」

「いえいえ、私は家事代行業のセールスマンですが
人を派遣するのではございません。
『たまごおじさん』が家事をするのです」

「『たまごおじさん』?」

そう言って黒い鞄から取り出したのは、

「花の種の入った袋?」

「いいえ、これは小人の種が入った袋でございます」

「・・・小人って種から産まれるんですか」

するとセールスマンは、にこやかな笑みを浮かべて

「はい。この種を小皿に張る位の水につけまして
一晩放置しますと、小人の『たまごおじさん』が
翌日から掃除をして家がぴかぴかになります」

そう言ったのだった。

(中編に続く)


善き事がありますように。
お読みいただきありがとうございました。
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望外な喜びです。
宇宙生物ぷりちーぴm(__)m
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