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ss180226レベル1のヘルゲート そこは気付けとチョコは叫ぶ

FC2 トラックバックテーマ:「バレンタインデーのチョコレート手作り派?市販派?」


 
キキキーっ。自転車のブレーキ音が辺りに響く午後一時。
「ただいま戻りました」
俺は忙しい昼の出前を終えて店主に告げた。
「おう、小僧戻ったか。まぁ飯を食え。
そして食いながら依頼を聞け」
「了解しました。あ、これ返却の丼ぶりです。
んじゃ、自転車片づけてきます」
おう、と厨房から店主の野太い声が聞こえた。

  自転車を片づけながら俺はつぶやいた。
「いつになったら俺の世界に帰れるんだろ、はぁ」
あ、俺、唯の出前のバイトだけど、
今いる世界、地球じゃなくて異世界ナンデス。

いやぁ、最初は困ったよ?
何しろここはどこ?家はどこ?腹減ったどうしよう
と悩んでいたら、
この世界では異世界人って結構出現するらしく、
対応ばっちりお役所仕事サクサク進んで
家も職ももらえて、一応元の地球の移転時間に
合わせて戻れるよう確認してくれるという
親切ぶりだった。

で、紹介された職が住み込みの食堂の出前持ち。
この世界って、魔法があるけれど
一般人はそんな大して使えない世界。
まだ馬車が活躍している生活水準なのに、
何故か自転車はあった。
何故だ?文明の発展手順が違うくね?
と思ったけれど、どうやら
俺より以前に異世界転移しちゃった人が
魔術師と協力して根性で作り上げたらしい。
でも、庶民にとってはちょっと手を出すのは
ためらう値段なのに、
何故か店主が持っていて、
俺に出前の時に使えと貸してくれた。
ただし、出前の中身がこぼれない装置は
開発してくれなかったので、
俺は店主のシゴキじゃなくて猛特訓で
中身をこぼす事無くお客さまに届ける
事ができるようになった。

「で、店長。次の出前先はどこですか?」
おれは賄いの飯を食べ終えて店主に尋ねた。
「おう、いつもの『ヘルゲート』だ」
俺の身体に緊張が走る。
「王立魔術学院ですね」
「そうだ。そこへ出前だ」
ー王立魔術学院。そこは偏屈魔術師の集まりだった。
本来、国の一機関に出前を届けるのに
身構える必要はない。
だが、そこは偏屈魔術師の巣窟。
自分の魔術を使いたくてたまらない連中の集まりだ。
裏門?怪しげな魔術道具が所狭しと置かれていて
いつ何が発動するかわからない道を通れるのは
魔術に精通する業者でないと危なくて仕方がない。

  正門も「休戦協定」というやつが発動しないと
一般人は通れない。
それなしで唯一出前を届けられるのがこの俺だ。
「アイサー了解しました。しかし、人は止めて下さい。
この前うまくいったからといって今回
成功するとは限りません」
「ふ、人しかもあんなガキの出前なんぞそうはねぇ。
しかも、おめぇはしっかり出前を届けた。
大した奴だ。
今回は純粋に王立魔術学院の奴からの依頼だ。
安心しろ」
「それならいいです。こちらの丼2つとライスですね。
ではいってきます」
「グッドラック」
店主はお玉を振りながらエールを送った。

 俺は愛自転車に乗って出前に走った。
(ふと思ったが、何故俺はチャリンコと言わず
愛自転車なんて言っているのだろうか)
そうだ、よく考えたら「愛」自転車なんて
なんかこ、こいびとみたいな扱い?
いや、俺は自転車を擬人化する趣味は無い。
俺は人知れず顔が赤くなるのを感じた。
そして、一瞬よろけたが、
(いや、この異世界で自転車は貴重品。
チャリンコなんて軽い扱いをしていい存在ではない。
そうだ、戦国時代には『愛』の字を兜に飾っていた
武将もいた。俺はその武将を見習っただけだ)
俺は自問自答をし、この難問に決着をつけた。
そして俺の『愛自転車(誇)』は、ヘルゲートへと
着いたのだった。

 そしてヘルゲートちなみに王立魔術学院のゲートを
開けようとした所、ゲートは独りでに開いた。
(?いつもなら、俺がゲートを開けて愛自転車を
走り出すと同時に攻撃があるのに今日は無いな)
俺はいぶかしみながらも、今日は「休戦協定」を
誰かが結んで、そのおかげで無事通れるのかなどと
呑気に考えていた。
すると、一気に周りが暗くなり俺は全身を
何かにまとわりつかれ動けなくなった。
「な、なんだ。これは」
「ふはははは、私はゴースト操り士。
貴様は今、無数の幽霊に取り押さえられているのだ」
どこからともなく、男の声がした。
「くっ、貴様ぁ。折角仲間が注文した料理が
冷めてまずくなってもいいというのかっ」
「ハッ我ら魔術師、食など魔術の前には
生命維持補完物に過ぎんっ
今日こそこのヘルゲートを唯一無傷で
出前を届けるお前を倒して我が魔術の力を
世に轟かすのだぁあ」
「く、そんな事の為に店長が作った、
我が料理は食にあらず愛なり!と
千手観音のごとく心のこもった
この出前、必ず届けるぞ」
俺は心の中でそう誓った、すると・・・
「な、なんだこの光はぁぐぁあああ」
俺を攻撃していた魔術師の悲鳴が聞こえ、
俺の腰につけていたポーチから
まばゆい光が飛びだしたのだ。
そして、暗い空気と俺を抑えつけていた
ゴースト達を浄化した。
後には、ヘルゲートから王立魔術学院の
正面玄関までの道に、貧相な魔術師の
男が転がっていた。
 「よし、出前は無事だな」
俺はホッとした。
そして愛自転車で正面玄関に向かおうとした所、
「ま、待て。今の光は聖母教会の巫女が
祈りを込めて作った聖なる品の光だ。
それを何故お前が持っている」
俺はポーチを開けて中からチョコを取り出した。
「ああ、それはバレンタインの日に巫女さんの
一人から、ちょっと失敗したからもらって下さい、
と言われてもらったんだった」
「バカな!巫女が失敗した聖なる品を
一般人に渡すはずがない」
「?だけど、その子もじもじして顔を真っ赤にして
恥ずかしそうに渡してきたぞ」
俺がそう言うと魔術師は気付けよリア充と叫んで
地面に突っ伏した。
・・・変な奴
俺はそう思ったが、出前を優先した。
出前は無事王立魔術院の注文主に届けられた。
帰り、俺に挑んできた魔術師は
仲間に救護されていた。
おれはヘルゲートを出ると愛自転車にまたがった。
そして、ポーチの中のチョコを一つ食べた。
(別に失敗してないよな)
よく分からんが、巫女さんありがとうと
つぶやいて愛自転車を走らせた。




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